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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ミラージュエンド編:第4章-聖霊の掟と時の枝-
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3rdステージ27:神木【時年樹】

(ライ……生きて……)


頭の中に響くようなこの声。

なんなんだ、いったい。


「でも……この声……翔琉?」

「まちなさぁぁぁぁぁぁぁぁい!」


そういってフィリは凄いスピードで追いかけてくる。

しかしながら、木が密集した地帯であるので、中々俺には追いつけないようだった。


「そっちにいっちゃだめだぁぁぁぁぁぁぁぁ」


と、さらに後ろから親衛隊の者の声がしたが、俺はお構いなしに進んでいく。

すると、奥の方で緑色に光る空間を見つけた。


「あそこだな!」


といって、俺は一気に向かう。

到着したその場所は、樹齢測定不能と言わんばかりの緑色に発光する巨大な木があった。

そして、その木の上の方から黄色い光に包まれた【なにか】が降ってきた。

あれはなんだろうか?



「やあ、ライ……始めましてだね……」


と、その【なにか】は人の形となって俺に話しかけてきた。


「あなたがさっきから俺に話しかけてきたのか?」


そう聞くと、表情はよくわからないが嬉しそうに頷いた。


「そうだよ……僕が君に話しかけていたんだよ」


そう発光体が言った瞬間に、後から追いかけてきたフィリと親衛隊、そしてトルネたちがやって来た。


「これは……」


と、発光体を見たフィリは驚いていた。


「何故、御神木様がここに……これは、王家に代々伝わる秘匿通路を通らないと拝めないはずなのに……」


狼狽するフィリをよそに、御神木様と称される発光体は俺に手をかざした。

なんというか、暖かくて優しい光……まるで、翔琉みたいだった。

そして、俺の中にあった【戒めの呪い】を取り除いて砕いてしまった。

すると、俺の身体は元通りになった。


「ふふっ……やっぱり君はその身体の方が似合っているよライ♪」


そういって、発光体は宙に浮かび上がった。

そして、木のたもとにちょこんと座り。


「さて、まず自己紹介をしなきゃね~」


と言った。


「僕の名前は【時年樹(タイムウッド)】。 つまりは、この御神木本体って事かな……まあ、本体は今君たちが見ている後ろにある大きな木なのだけどね」

「木が意思を?」

「そう驚くことないだろ? 風の大魔導士トルネ。 世の中にはまだまだ知らないことが多くあるんだ。 君のお仲間の自称なんでも知ってるアニオンでさえ、知らないことが多くあるんだしね」

「……なるほどな」

「ふふっ。 理解してくれて助かるよ。 まあ、理解できてなくても話を続けさせてもらうけどね♪」

「御神木様‼ 何故、あなた様がこの場所に? ここは、我ら王家の精霊のみが入ることを許される場所……」

「ふむ……勘違いしないでくれるかな? 別に僕はお前ら精霊族のルールで生きてる訳じゃないんだ。 僕は僕の生きたいように生きる……それだけだよ。 まあ、強いて言えばこの(タイムウッド)は、謁見する生物を選ぶことができる。 もちろん、任意でね。 今回はたまたまそれがライくんだったってだけだよ……」

「俺?」


なぜ俺なんだ?

と、いいかけたが発光体は、しーっと口を閉ざしてというポーズを取った。


「ライくんはね……少し特殊な虎族なんだよ……出生は普通。 ごくごく普通の誕生だった……でも……でもね? 君は、ある者の生まれ変わりなんだよ、ライくん」

「あるもの?」

「うん、そうだよ。 その者、強き事稲妻のごとく……命をかけて僕を守ってくれた恩人にして、最高の友達だった人物……いや、人ではないからこの場合は(けもの)と言うべきかな?」

「???」

「彼の名前は、白虎。 虎族初代にして最強とうたわれた戦士……」


えぇぇぇぇぇぇぇ!!!


「え? 俺って白虎様の生まれ変わりだったの?」

「うんそうだよ。 知らなかったの?」


しれっとした態度で、とんでもない爆弾発言しやがったよ……この神木。

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