表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ミラージュエンド編:第4章-聖霊の掟と時の枝-
134/349

3rdステージ22:迷いの旅人

迷子森唄。

俺ことライと、ホルブ、トルネの3人は時年樹を求めてこの森の入り口にやって来ていた。

うっそうと生い茂る、深々とした暗い緑色の空間が、目の前には広がっていた。

ちょうど、花畑との境目なようで、あからさまに境目がくっきりとしていた。

花畑を天国と例えるならば、この森は地獄かもしれない。

というのも、おぞましい獣の鳴き声、毒虫の羽音、底知れぬ殺意が感じ取れたからだ。


「どうやら、着いたようじゃな……」


そういってホルブは、森へ一歩足を踏み入れようとした。

その時、森の奥で悲鳴が聞こえた。

けたたましい叫び声。

まるでこの世の終わりのような叫び声だった。


「何事だ!?」


と、俺たちは森へと急いでいく。

草木をかき分け、深々とし、危険な密林に足を運ぶのだ。

一応、状態異常耐性魔法はすでに使用しているが、なにせなにが起こるか分からない未開の土地。

念には念を込めておかねばなるまい……

さて、森の奥にたどり着いた。

そこは、切り株が中央にひとつある場所。

空が唯一綺麗に拝める場所だった。

ただし、それは血まみれで切り株に寝そべっている少女が居なければの話だ。

草木を赤く染めている切り株の上に、瀕死の少女が倒れていたんだ。



「大丈夫か!」


と、俺は少女に駆け寄った。

俺は少女の顔を見て驚いた。

何故ならば、その顔はまるで姫のような美しさだった。

まあ、血がなければだろうけど……。


「うぅ……うぅ……ゴホッゴホッ」


と、少女は血を吐きながらうなだれてる。

いったい何があったんだ?

こんなに可愛らしい少女に、いったい何があったんだ?


「ライ……今は、少女の傷を治す方が先決だ……翔琉に教えて貰った魔法でさっさと治してやれ……」


と、トルネは言った。

俺は、光の魔法である光治を発動させた。

流石に神魔法状態の翔琉には及ばない。

完治させるのに、30分はかかってしまった。

その間にトルネとホルブは近林を調べたりしたのだが、何もなかったらしい。


「うぅ……!? きゃぁ!」


と、少女は起き上がるのと同時に悲鳴を出した。

そして、すぐに切り株の裏に隠れた。


「うぅ……なんで、虎さんがいるの? なんで変態そうな人がいるの? なんで老獪なフード野郎がここにいるの? 私怖い……」


そういって身を寄せて震えている。


「待て……怖がらなくていいぞ……俺たちは別に怪しいものじゃないんだ……」

「怪しいものじゃないんだ? それを証明できるものはあるの?」

「俺は雷の大魔導士ライ……強力な雷使いって言うことしか出来ないのだが……」

「……ちょっと、手を出してくれる?」

「手?」


と言って、俺は少女の方に手を差し出す。

少女は、警戒しつつ俺の方に近寄って来る。

そして、俺の手に触れ目を閉じた。


「…………‼」


少女は、自然と涙を流していた。

そして、少女は俺の身体に抱きついて大泣きしている。


「あーん……あーん……あなた……こんなに……辛い過去を……」

「過去? まさか、君は俺の記憶を読み取ったのか?」

「グスン……うん。 私たち【精霊族(せいれいぞく)】には、人の心を読み解いて、共有できる魔法を使えることができるの……雷の大魔導士ライ……そして、風の大魔導士トルネ……闇の大魔導士ホルブね」


と俺たちの名前をズバズバ当てた。

どうやら、記憶を読み取る能力というのは正解のようだ。


「私の名前は、フィリ。 一応、精霊族の王女よ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ