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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ミラージュエンド編:第3章-炎の種族と生命針-
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3rdステージ21:龍の長として、ここに命ずる

「ところで元長老」

「なんじゃ、(おさ)

「暗黒賢者が攻めてきたときに、なんでさっきの姿で戦わなかったの? あれで戦ったら、一発じゃないのかな?」

「あぁ……いや、一応あの姿になって戦ったんじゃよ……しかし、何故だか魔法効果が切れてな? それで、ダメじゃったんじゃよ……」

「成る程ね……(すげぇなボル。 あの元長老と戦って、勝ったんだ)」


うんうん、と関心していた。

ボルは、じゃあまだ実力が隠れてるって言うのか?

本来はどんだけ強いんだよ。


「では、長。 これから、龍族の秘匿事項についてじゃが……」

「あー……ちょっと待ってね」


と、言って指を再び鳴らす。

すると、ファイが現れた。

空間魔法で、ここに呼んだのだ。

包帯で、至るところを巻いている姿は、とても痛々しい。


「ん!? あれ? ここって、封印の間!? あ! エン! それに長老も……?」


彼女は辺りを見回して、なんとなく現状を理解したようだ。

破壊の後。

そして、うちが手にしていた金色に輝く杖。

うちが目的のものを入手したことをどうやら理解したようだ。


「いいんですか? 長老! 大切な宝具を……」

「む? ワシはもう、長老ではない。 元長老じゃ……」

「え? 元長老って……」

「今、この時点で龍族の長は、そこにおる王家最後の生き残りである、エン様じゃよ……」

「え? エンが長!?」


相変わらず、嵐のような弾丸トーク。

女子って凄いな。


「その事なんだけどな……ファイ……いや、龍族守護隊隊長ファイ‼」

「え! は、はい!」

「ここに、龍族の長として命ずる……」

「は、はい!」

「全ての責務、全ての意思を紡ぎし龍族の古より伝わる伝承を……ここに継承し……」

「はい!」

「現時刻を持って、お前の任を解く……」

「は……えぇ!?」

「そして、ここに新たなる長として、生まれよ」

「え? わ、私が長?」


何が起きているのか、全く分からないようだった。

元長老だけは、現状を理解し。


「ふん……ガキが……一人前に新しく長を選びおって……」


と、にやついていた。


「……ただし、秘宝生命針は譲渡しない。 使用後に早急に返却する……ということになる。 それだけが、前任者としてのワガママだ」

「……私が……長……」


じゃあな、っとうちはその場を後にする。

元気でやれよ、ファイ……



出口付近に着いたころ、ファイが駆け足で追いかけてきた。

彼女は、何かを手にしていた。

それは、赤色に輝く宝石の指輪だった。


「まって、エン……ここに、新たな長として、命令したいことがあるの……」

「なんだ、命令って……」

「うーんと、目をつぶって」


なんだよ、と思いながらも目をつぶった。

すると、口元に柔らかい感触があった。

目を開けると、ファイの唇がうちの口に触れていた。


「え!? え!? え!?」


と、思わず後ろに引いてしまう。

彼女はふふっと、笑みを浮かべて。


「私のファーストキス♪」


と、言った。

そして、続けていった。


「エン……私と、結婚して」

「はぁ!?」

「長としての命令よ♪」


と、不敵に笑う彼女だった。

うちは、驚きを隠せなかった。


「んな、命令聞いたことねーよ……」

「うん、だから初めてにして最後の命令よ♪ 私のお婿さんになって♪」

「なんでこんなことに……」

「嫌?」

「まさか……その命令、喜んで受けますよ……長」


そういって、笑顔で答えたのだった。

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