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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ミラージュエンド編:第3章-炎の種族と生命針-
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3rdステージ16:プライド

うちについて、少し明記しておこうかなって思う。

元々うちは、人間と龍族のハーフって設定になっていた。

事実、最近まで自分さえもそう思っていた。

でも、翔琉が帰ったあとに、自分のルーツについて知りたくなった。

情報家なのに、自分の事をよく知らないなんて変だよね。

うちは、どうやら記憶の一部を抜かれていたようなんだ。

長老によってね。

それは何故か……。

うちは、龍族最後の王家の後継者。

つまりは、龍族の王子って事らしい。

うちの両親は、既に他界しているそうだ。

なんでも、とある戦争にて力を使い果たしたらしい。

戦いを求める両親だったらしい。

父親は純血な龍族、母親は普通な人間だった。

母親は父親よりも強かったらしいのだが、ある日を境にして立場が逆転したらしい。

それは、母親がうちを産んだときからだった。

うちが、母親の才能を根こそぎ奪ってしまった。

そして、父親の能力も……。

結果、力を失った両親はあの戦争に勝てなかった。

だから負けた。

だから死んだ。

単にそれだけだ。

幼いうちは、やがて師匠アニオンに弟子入りする。

だけど、それはまた別の物語。

今語るべき物語は、うちが龍族最後の王家の後継者であると言うこと。

龍族王家。

始まりの龍の直系にあたる血族。

数千年に1度、強力な力を持つ子供が生まれる。

その子は、始まりの龍の生まれ代わりにして、世界を導く者となる。

一族に代々伝わる言葉。

それが現実となるかどうかは、この物語でも分からないかもしれない。

だけど、いずれ紐解くときが訪れるだろう。



「ふむ……以外とあっけないね、守護隊ってのも……」


おびただしい兵士が倒れる中、うちはその場に立っていた。

彼らは何も悪くない。

自分の任務に忠実だったんだもの。

むしろ、誇るべきだ。

うち相手に、10秒持ったことに。


「あんた、相変わらずのチートね……」


そういって、剣を握りしめ彼女(ファイ)は睨んでいる。

鋭い眼だ。

流石は隊長レベルだな。


「その昔、冗談で火山作ってってお願いしたときに、本当に作ったときを思い出したわよ、エン。 あれは、あなたが5歳の時の出来事だったかしら? あの時からよね……あなたが、数千年に1人の逸材だって噂になったのは……」

「いやいや。 むしろ、うちは平凡に暮らしたかったさ……なのに、王家の力を手にしようとする野心家たちによって、誘拐されて拷問された。 洗脳もされかけたっけな? あんまし、いいことなかったよ……うちの人生は……でもな、ファイ。 うちは、こんなにも楽しいって思ったのが初めてなんだ。 翔琉と冒険して戦うことが、今までなにもかもやる気がなかったうちに、まさしく光をくれたんだよ……だからファイ。 うちの邪魔しないでくれ……」

「あなたのエゴで、龍族の掟を曲げることはできないわ」

「そうか……それは残念だ」


ファイは、持っていた剣を捨てた。

そして、肉弾戦の構えをとる。


「ここは、無難に肉体のぶつかり合いで勝負しましょ……魔法じゃあなたには敵わない。 幼馴染みのよしみってことで、ね!?」

「いいよ。 ファイ……これで君に勝ったら、うちのやることを邪魔しないこと……うちが負けたら……なんなりと、処分を受けるよ」


うちは、バサッとコートを脱ぎ構える。

いざ行かん、魔法抜きの真拳勝負。


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