3rdステージ11:パラノイヤ・パニック
巻物を広げた彼女は静かに語り始めた。
パラノイヤとヨルヤについて。
"昔々、あるところに1匹の犬の獣がいました。
1匹の獣は、自然に生まれたわけではなく、人工的に生み出されました。
それは、死者を復活させたときに生まれたそうです。
獣は、生み出してくれたご主人が好きでした。
しかしながら、ご主人は死者復活によって生き返らせた兄にべったりとしていました。
獣は怒って、ご主人の兄を殺しました。
ご主人は嘆きました。
そして、ご主人は心を失いました。
獣は、心を失った主人を元に戻すべく、色々な方法を試しました。
しかしながら、どれもダメでした。
やがて、ご主人は心を失ったせいで、長い長い眠りにつきました。
獣は、ご主人を死なせまいと、ご主人を自分自身に取り込みました。
しかしながら、ご主人をこのまま生かすためには莫大なエネルギーが必要でした。
獣は、様々な方法を試したがダメでした。
やがて、獣はすべての生物に嫉妬し始めました。
すると、獣は生命力に溢れていきました。
獣は、生物としての枷が外れてしまったみたいです。
しかし、代償に、世界中の生物が衰弱しました。
この世界では生命力が弱かったようです。
獣は、無理矢理異次元の扉をこじ開けました。
そこから、魔法溢れる世界へ降り立ちました。
呼吸するように、魔力を漁る獣に恐怖した神様は獣を封印しました。
2度と目覚めないように……
もしも、あなたが獣を復活させるなら。
それは、世界の終わりを伝える鐘が鳴り響くでしょう。
終わりの時を始まらせてはいけない……
この世界を救えるのは、たった一人の神様の力を持つ英雄だけ……
もしも、あなたが世界の終わりを回避したいのならば、その男を探しなさい。
世界を終わらせてはいけない……
生を全うするために……
太古の昔より存在する、童話の1つ。
この獣こそが、パラノイヤ。
パラノイヤの目的は、ご主人と永遠を生きること。
でも、パラノイヤのとる方法では、他の生命は息絶えてしまう方法だったの。
だから、始まりの神によって、封印された。
それがどこかは伝えられていなかったけど、とにかくこの世界のどこかで眠らされている。
決して起こしてはいけない、怪物。
それが、パラノイヤよ"




