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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ミラージュエンド編:第1章-創造主と逃亡者-
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3rdステージ7:天野翔琉の行方

イミナ=ファルコン。

オールドアの創造主にして、始まりの神によって作られた神様。

その正体は、別世界での天野翔琉だった。


「唐突すぎて、どういうリアクションを取ればいいのか分からない……」


私は愚痴をこぼしていた。

そもそも、私たちはオールドアを直すために創造主を探していたはずだった。

それなのに、いきなり精神世界で、いきなり創造主と出会って、いきなり物凄く物語の根幹に関わる話をさらっとされてしまった。

これで、理解しろだなんて言われていたら、情報の処理が間に合わない。


「……ふむ、君たちはすごく驚いているようだな」


と、落ち着いてイミナは私たちを観察していた。

どうしてここまで落ち着いていられるのだろうか?


「……イミナさん、唐突すぎて整理がつかないよ……」

「む? 生理がつかない? 着床に失敗したのか?」

「字が違う! そっちじゃない! あと、何気なくセクハラ発言やめろ!」


神様といえど、変態なのだろうか。

この世界に変態は何人いるんだろうか。

人口の8割くらいは、変態なんじゃないか?

神様も含めて……


「……話が進まないから、率直に……」


と、ジンライは思い詰めたような顔をしながら言った。

彼にとっては現在は複雑な状況であろう。

親ではない親の登場。

親に似ている顔をした限りなく本物の別人。

何か思うこともあるだろう。

それを噛み締めている様子が、彼の表情からは伺えた。


「……俺の母親である天野翔琉……そして、逃走した邪神アマギは、現在どの世界にいるんだ?」

「ふむ……なるほど、彼らの行方を聞いてどうするんだ?」

「そんなの決まってる! 俺の母は俺の母だ。 助けにいく。 そして、アマギをもう一度封印する」

「……それは無理な相談だな……」


イミナは目をつぶり空を見上げる。

無理な相談?


「どうして無理なんですか!?」


と、私は声を荒らげてイミナに詰め寄った。

イミナは未だに目をつぶって何かを考えているようだった。

すると、夜空に再び映像が出た。

あれは……翔琉?


「え? なんで、翔琉が……」


映し出された姿に驚きを隠せなかった。

そこに映っていたのは、透き通る結晶の中で眠る天野翔琉の姿だった。

まるで、封印されているかのように。

そして、拘束されているように。

彼は結晶の中にいた。


「現在……天野翔琉は、自身のいた世界から遥か未来の世界にいる……」


イミナは静かに語り始めた。


「あの世界は、天野翔琉が残した"不老不死の薬に関するメモ"がもたらした、平行世界……」

「平行世界?」

「時空には様々な事象が存在する。 化学が発展したかもしれない世界、魔法が発展したかもしれない世界、超能力が発展したかもしれない世界、なにも発展しなかったかもしれない世界……様々な可能性が織り成す、無数の世界。 それは、無限に広がる宇宙のように存在する。 もしもの世界……それが平行世界。 天野翔琉は、その平行世界の中でも、最悪と言える平行世界に辿り着いてしまったようだな」

「え? それってどういうこと?」

「あの世界は……天野翔琉が原因で戦争を起こした世界だ……」

「‼ え? なんで、翔琉が戦争なんか……?」

「天野翔琉が初めて元の世界に戻ったとき……それは、自身の時間軸より13年の時が流れた世界だった……そこで彼は、君たちを救うために両親と弟に別れを告げて再びこの世界へと降り立った……」

「そうだったんだ……翔琉……」

「だがその時、彼は1つ余計なことをしてしまった……」

「余計なこと?」

「不老不死の薬の研究メモだよ……それで、本来ならばその時代には完成しなかったはずの机上の空論がなし得てしまった。 それによって、歯車は乱された……その結果があの世界……"軍事戦争の時代"だ」


天野翔琉によってもたらされた、災難。

最早、人災というレベルを超えた戦いを繰り広げられている。

機械による攻撃。

不死者の終わらない戦い。

それは、1つの星すら終わらせる惨い戦いだった。


「そんな中に翔琉(ママ)はいるの?」


とジンライはイミナに尋ねた。

イミナは首を横に降り、その世界の地図を投影した。

そして、一点に丸をつけた。


「天野翔琉は、この太平洋とよばれる海の南緯47度9分、西経126度43分にある場所……とある神話では旧支配者が封じられているとされている海底都市【ルルイエ】の最深部……【旧支配者の神殿】にいるようだ」

「……なんで、翔琉(ママ)がそんな場所に……」

「……ふむ、どうやら翔琉のそばにいる2匹の獣……否、2人の男女が関係しているようだな……随分いとおしそうな目をして、翔琉を見つめているよう……だ?」


どうやら、その発言の直後に沸き上がった、とある2人の殺気を感じたようで、イミナは一瞬言葉が詰まった。

そのとある2人の殺気とは、私とジンライの殺気であった。


「……人の親に色目使ってんじゃねーよ、タコ……」

「何あの女……ふーん……」

「お前ら、落ち着け。 だから、すぐに殺気立つではない! 野蛮すぎるだろ……」


神と言えど、肝を冷やし、冷や汗をかいたイミナであった。



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