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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ファントムソウル編:最終章-天野翔琉と神々の実験-
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2ndステージ58:パストオブシアター

 そういうと、精神世界が映画館のようになった。

 目の前のスクリーンに、映像が映る。


【3】


【2】


【1】


【0】


【劇場内での撮影行為は~】


(マジな映画じゃねえかよ)


【過去の過ちと、転生の理由】


”昔々、あるところに兄弟の神様がいました。 兄の創造の神は世界を作りました。 弟は生命を生み出しました。 やがて2人の神様は、世界を監視するようになりました。 それは”知恵”を持った生物が自分たちに干渉したことが始まりでした。


「知的生命体は新しいものを創り出す無限の可能性を秘めている」

 と言う風に、創造の神のは説きました。

 しかしながら、全知全能の神は違いました。


「世界は自分の思い通りにならなくてはならない」

 そんなことを思っていました。

 やがて、創造の神は【魔法】と【科学】をそれぞれ別の世界に分け与えました。

 そして、世界をいくつもの世界に分けて管理していました。

 次第に、知的生命体は世界を超える力を手にしましたが、あまりの危険な行為であったために、創造の神はその力を封印しました。

 しかし、世界を超える力を与えたのは、弟の全知全能の神でした。


「自分の思い通りにならない事は、消してしまおう」


 と考えた弟は、兄を殺そうとしました。

 しかし、兄はその計画を見破っていました。

 創造の神は、知的生命体に自分自身の【友】である【神魔法:アマデウス】と共に、弟の【全知全能の神】を打ち倒す手助けを求めました。

 当時、【魔法】と【科学】の世界では、【魔法】を操る世界の方が、進歩していました。

 そこで魔法世界で、勇者を集いました。

 その1人が【ロギウス】でした。

 ロギウスは恩恵を与えてくれた【全知全能の神】を倒すことに、始めはためらいを見せましたが、創造の神は全知全能の神に改心してほしいだけだ、と言う風に言っていたので


「自分の力で、神様が正気に戻ってくれるのならば」


 と言う風に、承諾しました。

 しかし、創造の神の計画は全知全能の神である弟に、すでに知られていました。

 全知全能の神は、ロギウスを除いた勇者たちを洗脳して、逆に創造神を倒そうと考えました。

 しかし、実行に移す前に、全知全能の神は、創造の神やロギウスたちによって封印されてしまいます。


「これで、すべてうまくいった」


 と創造神は思いましたが、これすらも弟の策略であるということには気が付くことができませんでした。

 全知全能の神は、封印される直前に魂を移動していました。

 それが【魂記憶】でした。

 のちに、それはデイたちによって8つの神殿に保管されますが、その際に、神殿の守り人たちは、全知全能の神に操られてしまいます。

 そして、その者たちによって、創造の神は殺されてしまいました。

 時の魔法を操る女【デイ】はこの時、この様子を予言していました。

 そして急いで魂記憶をかき集めて、【未来に全知全能の神を討ち果たす者と、その者たちの周りに起きる未来】を自分の魂を込めることによって、残しました。

 しかし、彼女自身も、最後の魂記憶に魔法をかけた直後に、全知全能の神に操られてしまいます。

 そして、創造の神が殺されたころによって、封印が弱まり、記憶を取り戻したロギウスに待っていたのは、かつての同胞たちとの【殺し合い】でした。

 ロギウスは仲間を殺すことは出来ませんでした。

 そのためロギウスは、創造の神の魂を違う世界に逃がしました。

 そうすることによって、全知全能の神の【本来の肉体】は永久に封印されることになるからです。

 怒った全知全能の神は、ロギウスを殺すことを止めて【永遠の苦しみ】を与えることに決めました。

 その永遠の苦しみとは、【人々から永久に憎まれる】という、辛いものでした。

 ロギウスは全知全能の神を倒そうとしましたが、操られたデイたちによって長い長い封印を施されました。

 これが後の【神話】です。

 全知全能の神は、人々に偽の記憶を与えました。

 そして、ロギウスを悪役にして、自信を称える【偽りの歴史】を生み出しました。

 一方、【神魔法:アマデウス】は、全知全能の神によって記憶を一部改竄させられるものの、なんとかその世界から抜け出しました。

 そして、様々な世界を放浪することになります。

 創造の神の魂は、全知全能の神から逃れるために、様々な世界を渡り歩いていました。

 そのたびに、いくつもの生物に転生しました。

 ある時は伝説の英雄・ある時は最悪の犯罪者・ある時は猫・またある時は科学者―――――そう天野翔琉でした。

 天野翔琉の魂は本来ならば【この世に存在するはずがない】者でした。

 それは運命を捻じ曲げた全知全能の神のせいで【死産】する予定だったからです。

 創造神はいつもならばそのまま見逃して、別の世界へと行く予定でしたが、【天野翔琉】の魂が創造の神に言いました。


「俺は生きたい!」


 その単純でしたが、純粋な答えに創造の神はかつて自分が求めた【無限の可能性】を秘めているのはこの子かも知れない、と言う風に考えました。

 そこで、因果律に少し干渉して、【死産】という未来を【安産】という未来に変えました。

 しかし、全知全能の神に気付かれてしまうと厄介だったので、創造の神は【天野翔琉の魂の一部】となってその身に宿りました。

 その結果、【因果律の改竄】は後に翔琉の身体に宿ることになる【アマデウス】が引き起こしたものだと、欺くことができたからです。

 そして、天野翔琉は天野翔琉としてその世界に生れ落ちる事が出来ました。

 頃合いを見て、創造の神は天野翔琉から分離して再び【転生】しようと考えました。

 しかしながら、それは叶いませんでした。

 再び全知全能の神が【天野翔琉】の因果を歪める――――つまりは、【殺害】を謀ろうとしました。

 そこで創造の神は考えました。


「何故、天野翔琉が狙われるのか?」


 そして天野翔琉の中から弟の全知全能の神の心を読みました。

 すると


「自分の放った運命さえも抗うことのできる、この個体ならばいい【実験材料】になるに違いない」


 と言う風に考えていた弟の心が読めました。

 そして弟の全知全能の神はある計画を進めていました。

 それは【異世界の最強の生命体を集めて、殺し合わせる】と言う、【神々の実験】と言う、かつて禁忌とされた行為をしようとしていました。

 創造神は【天野翔琉】を守るために【転生せずに翔琉を守ること】を決めました。

 そして、創造神は後に翔琉の分離した【負の感情を食べる怪物の煉】として、天野翔琉の中に残りました。

 創造の神は【創造の神】であることを止めて【友達】を守ることを決意しました。

 その時が来るまで、創造の神は記憶を封じて、煉として生きました。

 そしてその時が来てしまいました。

 それが今なのです――――――END


 終わると同時に、映画館の風景は消えて、元の精神世界の空間に戻った。


「俺って……死ぬ予定だったのか?」


 あまりの衝撃発現に、うまく言葉が出ない。

 俺は実験材料だったのか?


「俺は……実験材料……そんな……」


 意識が消えそうになる。

 仕組まれた人生―――――それが俺の人生だった。

 全ては策略の中……


「翔琉……」


 そういって声をかける、レネンの声は俺には届かなかった。

 涙を流しひたすらひたすら、悔しかった。

 悔しくて悔しくてたまらなかった。


「俺の夢も――――作り物だったのか?―――――俺の感情も何もかも――――――」

「それは違う」


 レネンは声を荒らげた。

 そして俺の首元をつかんで投げ飛ばす。


「何するんだよ!」


 と俺はレネンに怒鳴った。

 そして泣きながら向かっていった。


「畜生――――畜生――――――」


 そういいながら、泣きながら、何度も何度もレネンの身体を叩く。

 嫌な感触だった。

 拳が肉体にあたって、その衝撃が自分自身に伝わる感触。

 ロギウスは俺を止めに入ろうとしたが、レネンはそれを止めて、ひたすら俺の怒りと悲しみを受け止めるように、ただただ立ち尽くして、なすがままに攻撃を受け続けた―――――



 しばらくして俺は平常心に戻ることができた。

 レネンがずっと受け止めていてくれたからだと思う。

 泣き止んだし、怒りもおさまっていた。


「翔琉――――」


 とレネンは、先ほど言えなかった話を話し始める。


「君は作られた存在でもなければ、アマギの敷いたレールでも私の引いたレールでもなく、自分自身の人生を選択していただろう? 夢は策略では植えつけられないし、心は創造神である私でさえ作ることは出来ない。 だから、これだけははっきり言える。 今、翔琉と私は分離している。 つまり、君の魂と私の魂は分かれている。 だから、君のその感情や心は君自身の物だ。 【天野翔琉】という個人だ。 アマギや私にも干渉されてない【君自身あまのかける】だ。 私はこれからも君の中で、君の夢が叶うように見届ける。 そして君が死んだら、私も一緒に死んであげる。 それくらいの覚悟はある。 だから翔琉。 これからも【夢】を追ってくれ! 私は【夢】を追いかけているときの君が好きだ。 純粋にまっすぐに――――自分を信じて進んでいく。 そんな君が―――――」

「レネン……」

「まずは、そのためにも邪魔者を倒してしまおう。 あの偉そうにしている全知全能の神、愚弟であるアマギを―――――」

「でも、そうなったら神様の変わりはどうするの? アマギを倒すって事は、【神様を殺す】つまるところの【神の不在】を意味するよね?」

「その点は心配してないさ。 だって【代役】が見つかったもの―――――」


 そういってレネンはロギウスを見つめる。


「我にございますか?!」


 とロギウスは慌てる。

 そして、レネンはロギウスに言う。


「神なんて所詮は飾り。 世界の行く末なんか、ルールなんかを本来操る資格などない。 だからこそ、真実を、現実を求めてきて、私がかつて最も信頼していたお前に頼みたい。 アマギを討ち果たしたのちに、【真実の神】として、世界を見守ってくれるか?」

「そんな、もったいないお言葉です……我でよろしければ、何なりと―――――」

「では頼んでもよいか?」

「お任せ下さい、レネン様―――――」

「よくぞ今日まで、汚名を着せられて、そんな中でも真実を追い求めてくれましたね。 ありがとう――――」

「このロギウス、レネン様にそのようなお言葉をいただけるとは……有難き幸せです‼」


 そういってロギウスは涙を流して、その場に座り込んでしまった。


「翔琉、最終決戦と行こうか」

「分かったよ、レネン。 俺はこれからの人生を、夢を追うためにも、その妨げになる神なんか倒してやる」


 そして、自分自身の夢を追い続けるんだ!

 無限の可能性を見出して、更なる高みを目指すためにも――――――


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