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魔法世界に来てしまった結果、最強の魔導士になってしまった  作者: ただっち
ファントムソウル編:第7章-氷の乙女と最後の魂記憶-
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2ndステージ52:最後から2番目の魂記憶

無事にムラサメを回復させることには成功したが、あまりにも疲労などが激しいので、ディルに頼んでもらって、癒しの泉へとワープさせてもらった。

癒しの泉は、俺とリュウが初めて出会った場所で、世界最高峰の治療魔導士の集まる場所である。

そこならば、安心して療養できるだろう。

さて、いよいよ水の魂記憶を開くときがやって来た。

いつものように、フルートに手渡して、読んでもらおうとしたとき、勝手に開いてデイが現れた。


「おはよう諸君。 私こそが、偉大なる魔導士のデイちゃんだよーん♪ イエーイ」


相変わらずテンション高いな……あのおばはん。

みんな、出てきた瞬間に目が死んだ。


「おいおいおーい、もう少し笑えよ。 暗い雰囲気消してあげようとしてあげてるのに、この放置プレイ的な扱いとか……超快感的♪」


ド変態じゃねーかよ!


「まあ、さておき……よくここまで魂記憶を集めることが出来たね。 凄いよ。 まあ、闇の魂記憶は無くなってしまったみたいなのが残念だけどね」

「ご先祖様、闇の魂記憶が無いということは、我々はロギウスを倒すための秘密を手にいれることが出来ないと言うことなのでしょうか?」

「んん? いやいや、大丈夫。 この魂記憶って、所詮私が作ったものだから、最後の文章に答えがあるようにしてあるから」

「え? どういうことですか?」

「うーんと、だからあなた方が最後に手にいれるだろう、氷の魂記憶さえあれば、謎は解けるんじゃないかしら? 氷みたいに……ぷふっ! めっちゃうまくない?今の!」

「あはは……」


ゼロ点、と煉の声がした気がした。


「まあ、とにかく残り頑張ってね。 早くロギウスを倒して、ちゃっちゃと世界を救えば? んじゃーね」


と言って、デイは消えた。

意外とあっさりとしてた。

珍しいこともあるな。


「……終わりを告げる鐘は近い……それが、今回の内容ね」


フルートは、冷静に巻物の文章を読み上げたようだ。

目的地は決まった。

だけど……


「あのさ……みんな、聞いてくれ……」


と、俺は話をする。

今の俺が、魔法が使えない真実を。

謎の青年(偽ムラサメ)によって、砕かれた光の玉。

あれがどうやら、俺の魔法の源だったらしい。

強化した精神の器に入っていた、魔法を使うために必要だったエネルギー。

それを砕かれたんだ。

普通のこちらの人間や生物ならば、それは生命を維持するためのエネルギーなので、まず抜かれたら廃人になってしまう。

俺が平気なのは、そのエネルギーが生命を維持するためのエネルギーとしては活用していないため、廃人にならずにすんだんだ。


「だから、現状として言えるのは、俺は魔法を一切使うことができないんだ……だから、その……足手まといになるから、ここに置いていってくれ……」


下を俯きながら、俺は弱々しくいった。


「いくら皆でも、さすがにこの先俺を守りながら出来るような戦闘は出来ないはずだ。 だから……」


「「断る」」


弱気になっていた俺の心を撃ち抜くように、全員が声を揃えて言った。


「なーにいってんだ? 翔琉は時々頭が悪くなるよな」

「そうね、ライ。 翔琉ちゃんは、たまにこう言う変なことを言うわね」

「安心しろ翔琉。 俺たちがちゃんと守ってやるよ、友達だしな♪」

「ママを守れるなんて、早々出来ないし♪」

「そうじゃな、お主はいつでも儂らを守ってくれていた」

「それに報いるときが来たようだな」

「花魁どもに、怪我はさせられないしな」

「少しは信頼してくださいよ、翔琉くん」

「私たち仲間じゃないのよ」


ポロポロと、涙がこぼれ落ちた。

悲しくて泣いてるんじゃないんだ。

嬉しくて泣いてるんだ。

こんなに、みんな優しいなんて。

俺は……俺は……なんて、幸せ者なんだろうか。


「みんな……ありがとう……ありがとう…………うぁーん……」


その場で声を出して泣いてしまっている。

感情がここまで表面に出たのは、久し振りかもしれない。

嬉しくて、嬉しくて……涙が止まらない。

俺は改めて思った。

こいつらと、仲間になれて良かったと。

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