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関東大学将棋物語  作者: るかわ
22/92

初日前夜


「姉貴!」

「急に何よ達也」

 達也がリビングで目にした沙織は、スナック菓子を手にしていながら、寝そべってテレビを見ている、いつもと変わらない姿だった。これのどこがアイドルなのだろうかと、達也は頬を(つね)りたくなる。

「忠告があるんだけど」

「何?」

「あのさ……」

 言いにくいのか、テレビに目を背ける。少し間を置いた後、気まずそうに「あんまりグラビアとかやらないでよ」と呟いた。本当はもっと言いたいことがあったが、その一言だけ伝えた。

「そんな、水着とかになるわけじゃないんだから、心配しなくてもいいのに」

「沙織、あんた水着なんてやったのかい?」

 登紀子が水着という単語に、敏感に反応する。

「やってないわよ!」

「僕が困るんだから、そういうのはやめてよね!」

 そう言い残すと、達也は二階に上がった。沙織と登紀子は、不思議そうに後ろ姿を見つめていた。

 明日の大会、どういう感じなんだろう。

 達也は部屋でぼんやりと考えていた。自分がまだ出れない実力だということはわかる。団体戦とは、大学の名をかけて戦うと言っても過言(かごん)ではないのだ。自分なんかが出たら、大学中から非難を浴びるだろう。それに、自分にそこまでの精神力は無い。

 達也はパソコンの前に座り、24を開いた。明日は朝早く家を出ないといけなかったため、五局だけ指そうと決めた。だが、最後の一局に負けると、もう一局だけ指した。



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