014
⊿月ε日
何か大騒ぎになっている。
先日やりあったあの超巨大兵器。全長50mは在ろうかと言うあの宇宙人の機体は、曰く大陸で猛威を振るった機体と同種の物なのだそうだ。
実に大陸の10数パーセントを焼き払ったとされる超兵器。それが国内に持ち込まれていたというのは、ある面では途轍もない問題となっているのだとか。
侵略者達は宇宙から兵器を搬入しているものだとばかり考えられていた現状、今回判明した前線基地のような存在があるという事は、少なくとも未だ他にも存在する可能性は高い、と言うことだ。
さらに問題となったのは、何故此処に、あの超巨大兵器が持ち込まれたのか、と言う点だ。
この国は技術力でこそ優れているが、人口、物資ともにそれほど優れた土地と言うわけではない。
現在のこの国の物資は、6割を輸入、4割を国土、コロニーでの生産で賄っている。自給率に関してとてもではないが優れているとはいえない。
さらに、大陸の離れ島のようなこの国土。大陸の中央に拠点を構えている連中にしてみれば、態々この国を占領するよりは、西回りに遠征したほうがよほど効率的だろう。ウチの国土内であんな超兵器を組み立てたところで、現在最前線である大陸に持ち込むのは手間以外の何でも有るまいし。
可能性として考えられるのは――背後を掃除しておきたかった、か?
まぁ、いい。それはいい。
問題は、アレを撃退した事で手に入れたポイントの話だ。
前回、というか、そもそものあの土地の清掃に際して、俺は手持ちのポイントの全額を新装備に回した。
結果システム系の反応速度とかが大分向上したし、おれ自身もなにやら覚醒したし、現在戦力は大幅に向上している。それは間違いない。
ただ、それを考えても手に入れたポイントが巨額すぎる。
如何した物かと考え、とりあえず何か情報を探るべくキャナルにネットで情報を拾ってきてもらったところ、分ったのはあの超巨大兵器と言うものは、本来三人で相対するような存在ではない、と言うこと。
何せ大地を焼き払う荷電粒子砲に、何尾と足り戸も近寄らせぬとばかりのハリネズミのような速射砲、さらにそれを守る高出力バリアシールド。シンプル故に途轍もなく強力なあの超巨大兵器、大陸で登場した際には、実に3個中隊の戦力が相対し、漸く撃破できたという記録すらあるのだ。
ざっと考えて、三個中隊と言うと――15人か。今回手に入れたポイントが12000点、もし3人ではなく15人で考えた一人当たりの取得点数は――2400点。巨額では在るが、まぁ無いとは言えない点数ではある。
思考が逸れた。
さて、手に入れた点数を如何使うか、と言う話だ。
とりあえずスーツ系をヴァージョンアップ。ソードブレイカー1も、フルメンテナンスにかけたり、色々やってみた。
先ず、スーツシステムの変更。
ナノスーツ系の下地は残す物の、ヴァージョンアップと共に何かオクトカムにメカメカした装甲を付け足したっぽいものに変化した。頭部はマルチセンサーシステム搭載型のバイザーと言うのが当にMGS臭い。何処のRAIDENだ。もうちょっと丸みがあるけど。
折角だから触手の一本や二本くらい付け足してやろうかとジョークで呟いたら、なにやらキャナルに採用された。「私用の腕があれば便利でしょう」だって。何処のレバ剣だと。
で、背中から触手が生え、なんだか胡乱な気持ちになっていたら、次に動力が変更された。それまでの物も相当高い出力を誇る物だったのだが、今回は超時空弦機関(HCSジェネレーター)だかいう意思で制御するタイプの代物になった。これは一種の空間ジェネレーターなのだが、同時に一種のエネルギー粒子を生産するとかで、その粒子エネルギーをスラスターの噴射剤にも転用できるのだとか。何と言うG○ドライヴ。
しかもそれが霊能力との相性がいいとかで、粒子を触媒とした精神感応領域の拡大がどーたらこーたら。要するに直感が冴え渡るという認識でいいんだろうか。
で、武装。今回は中々いい武装が手に入った。ビームガンの一種なのだが、射程は狙撃銃並、出力調整の幅も広く、出力を抑えることで連射も可能という万能な代物。しかもマルチセンサーシステムとあわせれば精密狙撃も可能という便利仕様。凄いね。
近接専用武器に、双腕に仕込み剣を入れた。エネルギーを添付するタイプの代物で、バリアに対する貫通効果を持つとか如何とか。まぁ俺は基本的に遠距離戦しかしないので関係ないが。
この時点で消費した点数が300点。残り11700点。
バリア系にポイントをつぎ込もうかとも考えたのだが、俺の新しいスキルというか目覚めたスキルというか、そういうので、世界因子なるものがある。
簡単に説明すると、肉体と霊体の完全同期がどうのこうので、肉体の霊的ポテンシャルが跳ね上がると同時に霊格が跳ね上がったとかどうとか。実感としては、普段から霊能力を行使する際の集中状態を維持していられる、と言うような感じか。
で、この状態だと霊子フィールドを瞬間的に発生させる事が出来る。防御面で言えば、俺個人の能力で十分すぎるほどにあるのだ。なのに、装甲にエネルギー付与システムまで付いている。このエネルギーは霊力との親和性が物凄く高いので、結果として霊的防御力も上昇している。
うん、シンプル故に硬いセッティングだ。コレはいい。
弱点はまた領域攻撃の手段が少ない、と言うものなのだが、今の俺であれば霊力爆撃で面制圧も出来なくはないし、そもそも個人で制圧戦なんてやる状況になったら逃げる。
やるならメカ戦に持ち込めば言い訳で、そういう砲撃だとか空間攻撃は魔法少女なり魔女っ子なりに任せる事にしよう。
違う、また話が逸れた。
残り10920点を如何使おうか、と言う話。
現状で個人戦力は十分なほどにある。巨大兵器は、俺の使っているASはある程度完成した代物だ。余り弄る部分が無い。
あえて弄るべき点があるとすれば、空を飛べるようにするか? いや、ASを飛ばしたところで余り意味は無いだろう。
なら、何故跳ぶ必要があるのか――それは、現地までの輸送手段か。迅速な移動、及び強襲の手段として、機体を飛ばすというのはいい手段なのだ。
でも、要するに機体を移動させる手段があればいいわけだ。
ふむ、機動戦艦でも買うか?
――駄目だ、ポイントが足りない。
15000在れば相転移エンジン搭載な小型の機動巡洋艦くらいは買えたんだけど。いや、今でもミデアくらいは買えるけど、あれは滑走路居るしなぁ。
どうせ買うならイナーシャルコントロールで垂直離陸できるような陸上空母が欲しいね。
まぁ、移動手段は次回と言うことで。
単純な移動手段であれば、WHMのレンタルバイクを使えばいいし、機体だけなら無機物転送で現地に送ってもらえばいい。
よし、とりあえず次大型の敵にあった時に備えて、火力不足を補うバスターライフルでも搭載しておこうかな。まぁ、先ず使わないと思うんだけど。
うーん、それでも未だ結構のこるな……。残りの10020点、如何しよう。
――復興にでもつぎ込んでみるかな?
取得点数:0点
既得点数:12000点
返却点数:500点
(武器返却:200点(損傷などから減額)、CSジェネレーター:300)
使用点数:2480点
(スーツ魔改造:300、MMアーム(A):200、HCSジェネレーター:700、ビームガン(A):200、仕込みエネルギーブレード:180、バスターライフル:900)※割引有効
合計点数:10020点
総合得点:13832点
■名前/TACネーム
・東雲 海里 Kairi Shinonome/無し
■クラス
・霊能力兵士
■変身デバイス
・デバイス――黒い台座に赤い結晶が乗ったネックレス。結晶量子演算システム。
・AIシステム――キャナルと名付けたAI。戦闘以外にも広く活躍できる。
■スーツシステム
・バイオナノスーツ――ナノスーツ上位派生。RAIDEN、MGS4臭い。触手付き。
・メカニックマルチプルアーム(B+)――所謂触手。使い勝手は意外に広い。
■武装
ビームガン(A)――射程A、精度A、威力A、連射C。威力と連射速度は反比例的に調整できる。
ブレード(A)――仕込みEブレード。エネルギーを添付した実体剣。バリア貫通効果あり。
■保有技能
高速思考(A)――思考を高速化させる。思考速度だけなら5○5のアクセルに対応できる程度。
並列思考(C)――複数の思考を並列して行う。頭の中で天使と悪魔の二役を立てられる程度。
霊能力(B)――霊的な物に対する抵抗力の向上、霊的視力、霊的エネルギーの運用など。
┗サイコ・ディスク(C)――霊能力系スキル。圧縮した霊力を円盤状にした物。着弾後爆発。攻守に使える。
┗サイコ・スピア――霊能力系。霊力を円錐状に圧縮し、貫通力と速射力を向上させた。
┗サイコ・ランス――霊能力系。サイコスピアの拡大版。接近戦に対応した霊力の槍。
┗霊子フィールドA――粒子化した霊子による防御フィールド。一定以下の質量攻撃を無効化する。
┗転移A――自らの肉体を霊子化し目的地で再び形を成す。長距離には別出力が必要となる。
世界因子――個としての進化。また世界との同化。人類種としての進化の一様。肉体と霊体の完全同期による進化。霊的技能が基礎レベルで跳ね上がる。 ……イノベイター(ボソッ)