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パラダスト  作者: りぃーと劉華
第一章
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あ?なんでマンホールから出てきてんだよ

~ルネア~


「おい!ちょっと止まれ、ミノア!」


俺は前にいるクルクル回りながら走るちっちゃな少女に力の限り叫んだ。

ったくこいつは足だけは速いんだからなぁ……。


「マスターの声、確認。警備モード、解除します。――――はぁい!なんですかぁ?」


最初の態度とはまるで別人になったミノアを見る。

おいおい、ホントにあのこと忘れちまったて言うのかよ。


「お前は!なんでここにいると思ってるんだよ、今日はこの国の建国祭だろ!そんな『私は天使で~す』みたいな格好をしてるんだ」


そう言ってから俺は顎でくいっとミノアの体を指した。

ミノアの格好とは、白のワンピースに羽をもろ出した、白い天使のお姫様~みたいなやばいものだった。


「あれぇ?いけなかったですか?てっきり私、皆に天使がここにいるって伝えるのかと思ってましたぁ。あはは~」


「ボケナス!俺ら天使は見つかっちゃいけないんだよ、だからこうしてこんな変な服を着てるんだ。……上司に恥かかせる気かよ」


ホントにこいつは疲れるな。


今回俺らは国の建国祭とかなんやらで、警備に駆り出されたわけだ。

さっきもこいつに話した通り、建国祭だからって国民の全員がイイ子にしてるわけじゃねぇ。

最近は物騒だし、何よりもこの国は孤児が多いからな。


なのに俺の部下、ミノアは天使のくせに自分の姿を隠さない馬鹿な奴だからこうして困り果てているというわけだ。

俺はきちんと天使だと分からないように変装もしてるし、武装だってしている。


「もうお前はいいや。さっさと帰って昼寝でもしてろ」


「――――命令ですか?」


くっ……。こいつに上目づかいで見られるの嫌なんだよな。

俺はそっぽを向きながらぼそりと言った。


「当たり前だ」


「マスターの声、確認。家へ、向かいます」


また声のトーンが下がり、てこてこと歩いて行った。


「これで仕事に集中s――――なんだ?」


俺は見てしまった。マンホールの蓋が、がたがた揺れているのを。

なんだよ、せっかく今から仕事に取り付けられると思ったのに。

俺はマンホールへと近づいていき、腰をかがめた。

――――次の瞬間。


「ガコン!!」


物凄い勢いで蓋が空き、中から長身で黒ずくめの汚らしい男が出てきた。男はきょろきょろとあたりを見回していた。


「おい、なんでマンホールから出てくるんだよ。なぁ聞いてんのか、って

大丈夫か!?」


「……っ ぅるせぇ」


男はふらっとよろめき、近くにあった木にもたれた。

おいおい、大丈夫かよこいつ。

俺は心が広い奴だからな。よし!また距離が遠ざかってしまった男の方へ歩いていき、手を差し出した。


「お前、うちに来い!なんか困ってるっぽいしな、俺の名前はルネア・レビレスだ」


……。なんだこのビミョーな空気は。


「あ、なんだよ。女か……。」


男の言葉だ。あれ?なんか変だって?

一応言っておくけど、俺は女だからな?―――もしかして勘違いしてなかったか?


まあいい。俺は男の肩をがっちりとつかんだ。


「これからお前を俺のうちに連行するからな。あははは!!」


なんか俺は笑えてきた。



今回のオチ。あれから俺は男を家へ連れて行ってやった。

男の名前は「セイヤ」だそうだ。外観からして、18ぐらい。歳までは教えてくれなかった。

最初は無口と言うかなんというか、一匹狼な感じだったな。

まぁそれで飯も食わせてやったし、風呂にも入れてやった。女の俺が男を部屋に入れるなんて気が進まないと思われるかもしれないが、セイヤは結構いい奴だ。


それから、俺は眠れそうにないセイヤを見ながら一人だけ眠りに落ちていった。


はい、りぃーが担当させていただきました~☆


ルネアは、男っぽくてガサツだけどきっとイイとこありますよ……。(たぶん)

次回は劉華さんがセイヤ目線で書きますよ~

これからもよろしくお願いします!!(^A^)/


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