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巻き込まれ幼女召喚〜無人島を拠点に自由気ままな異世界ライフ〜  作者: るあか
第三章 和の食材と常夏の島

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61話 水の都エスタシア

⸺⸺水の都エスタシア⸺⸺


「うわぁ……! 海の上に町があるのかな!? 大きな水路にゴンドラ! 水の都だ〜!」

 ヴェネツィアのような雰囲気の町。

 街道にはヤシの木とかいっぱいあったからてっきりハワイみたいなところかと思ったけど、ヴェネツィアだ!

 行き交う人々は耳に魚のヒレのような綺麗なヒラヒラの付いた“魚人族”が多かった。


「エスタシア、という名前の町のようじゃの」

「あっ、ファストトラベルに登録して……と」

 アメちゃんと一緒に入ってすぐのマップを確認。この入り口をファストトラベルに登録した。


『ここのお魚も美味しそうですにゃぁ〜……』

 ルキちゃんはクンクンと町の匂いを嗅いでいた。暖かい潮の匂い。魚介類も寒い土地のグラキエスとは違った美味しさがありそうだ。


「ここのレストラン行ってみる? ほら、このゴンドラ乗り場でゴンドラに乗った、この大通りのレストラン!」

 私はマップ上に指でルートを描いた。

「ふむ、ゴンドラという乗り物にも乗れて一石二鳥じゃな♪」

『早速行きますにゃ♪』


⸺⸺ゴンドラ乗り場⸺⸺


「すみません、乗せてください」

 ゴンドラの船頭さんであろう魚人のお兄さんに声を掛ける。

「いらっしゃい! 中央通りまでのゴンドラだが良いかい?」

「はい、お願いします」

「はいよ! 乗ってくれ。すぐに出発する」


「ありがとうございます! お金は……いらないんですか?」

 ゴンドラに乗り込みながらキョロキョロと見渡し、料金表みたいなものがどこにもないことに気付く。

「おや、嬢ちゃんたち初めてこの町に来たのかい。俺らは町から金をもらって働く船頭だから、この町のゴンドラは全部無料だ。気軽に使ってくれよな」

「なんと、親切な町じゃ♪」

 と、アメちゃん。

「ね、じゃぁたくさん乗らなくちゃ♪」


 みんなでゴンドラに乗り込み席に座ると、ゴンドラはゆっくりと動き出した。

「おぉ……アトラクションみたいだ……」

 まるでテーマパークに来たみたい。

「なんじゃ、ただの乗り物だと言うのに、なんだか楽しいのう……♪」

「ね。町中のゴンドラ乗っちゃおうか」

 私がそう言ってニヤッと笑うと、船頭のお兄さんはあっはっはと笑っていた。


「楽しんでくれているようで、なによりだよ。嬢ちゃんたちは観光で来たのかい?」

「あっ、はい、えっと……観光と、水の魔石を探しに来ました」

「水の魔石か! それなら海底神殿に続いている海底洞窟にゴロゴロ落ちているから、たくさん拾っていきな。洞窟内は海神様の加護のおかげで魔物も出ないし、嬢ちゃんたちでも安心だ」


「海神様……」

 アメちゃんがポツリと呟く。私はお兄さんに「その海底神殿って言うところに海神様はいるんですか?」と、尋ねた。

「実際にいらっしゃるのかどうかは分からないが、その神殿に(まつ)られているのは確かだよ。ぜひお参りもしていってくれ」

「そうなんですね! はい、行ってみます♪」


⸺⸺


「「ありがとうございました!」」

 ゴンドラが目的地に到着し、ゴンドラから降りて2人でお礼を言う。

「こちらこそご利用ありがとうございました! また乗ってくれよな♪」

 そう言って手を振ってくれるお兄さんに見送られて、町の大通りへと出た。

「アメちゃん、水の魔石も海神様も同じところみたいで良かったね」

「うむ。それに魔物も出ないと……しっかり加護が出来ておるようじゃな」

 顔を見合わせて微笑むと、目的のレストランへと向かった。


⸺⸺食堂エスタ・トラトリア⸺⸺


 店内はオシャレなカフェのようで、好きなところに座っていいと言われたので屋外のカフェテーブルへと腰掛けた。

「アメちゃんとルキちゃん何食べる?」

 私はそう言ってメニューを開いた。

「むむ……!? ボンゴレ……リゾット……ピザ……? 味が想像出来ぬのう……」

 アメちゃんは目をぱちくりとさせているので、私は思わず吹き出してしまった。

「あはは、ほら、絵が乗ってるよ?」

「ほほう、パスタというのは麺なのじゃな? これはアサリではないか? うむ、わらわはこれにしよう」

「了解、ボンゴレ・ビアンコね」


『僕はお魚のムニエルが良いですにゃ♪』

「なら真鯛のムニエルにしよっか」

『はいですにゃ♪』

「私はペスカトーレにしよーっと♪」


⸺⸺


 水路を行き交うゴンドラを見ながら、エスタシア料理を堪能した。

 すごいな、こんな本格的な料理は味付けが難しそうだ。また食べたくなったらこのレストランに来よう。


 食べ終えた私たちは中央通りを歩いていた。

「うむ。初めての味であったが、エスタシア料理も美味(びみ)であった」

「うん、美味しかったね、また来よう。あっ……お花屋さん! ちょっと種を見て行っていい?」

『ラフちゃんとゴブくんへのお土産ですにゃ』

「そ」

「良いではないか! 早速行こうぞ」


 お花屋さんでマンゴー、メロン、バナナ、オレンジの種を購入。ラフちゃんの喜ぶ顔が目に浮かぶ。

 大事にポーチにしまうと、海底神殿へ行くため海岸へと向かった。



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