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34話 スネーフ坑道を塞ぐ者

「もっと詳しく教えてくれだって? ユノちゃん、変わっているなぁ……。まさか、スネーフ坑道に行こうなんて言うんじゃないだろうな? 危ないから今は絶対に行っちゃダメだぞ?」

 マスターは恐ろしいという表情でふるふると首を横に振った。

「えっと……結界はどうなっているんですか?」

「結界もどうやらソイツの付近だけ壊されてしまったようで、ソイツの周りは魔物だらけさ。ソイツも悪気があってそんなことしてるんじゃないって分かってるんだが……こうもあの場に停滞されてはこっちも困るからね、今は王国軍の助けを待っているところだ。ただ、Sランクだから王国軍も無事じゃぁ済まないだろうけど……」


 Sランクって一国の軍隊が無事じゃ済まないくらいの強敵!? しかも、結界を壊すって……まずは結界に近付かないといけないから、つまりその魔物には結界が効いていないと言うことだ。


 あれ、やっぱ無理?


「うーん……仲間にしようと思ったんだけど、流石(さすが)に無理そうかな……」

「な、仲間だって!?」

 マスターは目玉が飛び出てしまいそうなくらいに目を見開いていた。

「魔物は邪気を浄化したら、正気に戻って人を襲わなくなるんですよ。このウルもそうです。その魔物がSランクでも、きっとそれは同じだと思うんです」

「なっ……ユノちゃん、あんたまさか、モンスターテイマーなのかい? この小さいわんこ、魔物だったんだなぁ……」

「あはは、そんなところです……」

 本当は浄化の力があるのはルキちゃんだけど……ごめんねルキちゃん、話がややこしくなるからこのまま行くよ。

 ルキちゃんにごめんと伝えたくてアイコンタクトを送ると、ルキちゃんはパチンとウインクで返してくれた。

『今は話を合わせますにゃ♪』

 はい、ルキちゃん最高。


「しかし、いくらモンスターテイマーとは言え、まだこんなに小さいんだ、Sランクの魔物をテイムするなんて……」

 マスターは不安そうにそう言う。あくまで私の心配をしてくれているんだ。

「ですよね……やっぱ無理かなぁ」


 すると、長老がボソッととんでもない事を言った。

「ほー……」

『……ウルもまた、Sランクなり』

「えっ!? そうなの!?」

『オイラ、Sランク!?』

 って、本人も驚いているし……。

「ほっほー……」


「なっ、急にどうしたんだい、ユノちゃん!?」

 あっ、マスターごめん、驚かせちゃった。

「ごめんなさい、こっちの話です。あの、私、その魔物のテイムに挑戦してみます。詳しい外見と、出現場所を教えてください」

「ほ、本当かい!? いや、しかし、こんな小さい子に何かあったら……」

「でも、この町の人たちはそのスネーフ坑道が通れなくなって、孤立してしまっているんですよね? それに、討伐となれば討伐軍に被害も出てしまう。だったら、テイムして無害にしてしまうのがお互いにとって一番良いですよね」

「そうなんだが……分かった、危ないと思ったらすぐに引き返すんだよ? その魔物は縄張りから外には追ってこないから、逃げれば大丈夫なはずだ」

「分かりました。約束します」


 私はマスターからこの島の地図を受け取って、スネーフ坑道の場所とその魔物が出る場所に印を付けてもらった。


「その魔物は“デュラハン”と言う魔物で、見た目は……首なしの騎士だ」

「え゛っ!? く、首なし!?」

 えー……やっぱ、やめる?

『ユノ、行くと言ったのはユノですにゃ♪』

「うっ……そうだよね……」


 私はエイストンの正門をファストトラベルに登録をして、覚悟を決めてスネーフ坑道へと向かった。


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