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巻き込まれ幼女召喚〜無人島を拠点に自由気ままな異世界ライフ〜  作者: るあか
第一章 私たちだけの島

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23話 決めた、大きな目標

⸺⸺ウルユ島、拠点⸺⸺


 数日後。

「ただいま〜」

『ただいまですにゃ』

 ルキちゃんと共に商人ギルドにガラスの食器の納品をして、ウルユ島へ帰宅。


『お帰りなさい』

『お帰りだべ』

 ラフちゃんとゴブくんが仲良く畑で作業しながら出迎えてくれる。

「ウルは?」

『ウルは素材集めです。そろそろ戻ってくるのではないかと……』

 ラフちゃんがそう返事をすると、彼女の予想通りウルが荷車に大量の砂を積んで拠点へと戻ってきた。


『あっ、ユノ、ルキちゃん、帰ってたんだね♪』

「うん。ウルも海岸の砂、いっぱいありがとう!」

 最近ガラス製の納品依頼ばかり受注しているから、砂を大量消費するためとっても助かる。


『今日はみんなにマルシャンで人気のサンドイッチを買ってきたのですにゃ♪』

『サンドイッチ! お腹ペコペコだべさ』

 ゴブくんはかなり食いしん坊だ。いっぱい食べても太らないしうらやましい。

「ウッドデッキで食べよ。みんな手を洗ってからだよ〜」

 私がそう声をかけると、みんなは『は〜い』と返事をしてウッドデッキの流しへ一列に並んだ。


『石けんで洗うとスッキリして気持ちがいいです』

『土まみれのばっちい手もピカピカになるだよ』

 お花の妖精とゴブリンが流しの前で両手をアワアワにして手を洗っている。なんともシュールで不思議な光景だ。


 手を洗ったところでみんなでカフェテーブルを囲い、「『いただきます!』」とサンドイッチにかぶりついた。今日は“タルタルチキンサンド”。ボリューミーなやつだ。

 ルキちゃんは最近人間が座るように椅子に腰掛けるようになり、サンドイッチも前足で器用に挟んで食べるようになった。そのうち二足歩行で歩きそう……。


 私はサンドイッチを頬張りながらクラフトパネルを開く。ご飯を食べながらスマホをいじっちゃうように、完全にクラフト依存症だ。お行儀は悪いけど、この島でお行儀を良くしなきゃいけない理由なんてないから良いのだ。


『次は何を作るの?』

 秒でサンドイッチを完食したウルがクラフトパネルを覗き込んでくる。

「んー……」

 私は“建物”のカテゴリーを開いていた。そして、何気なく“お城”をタップした。

『お城? お城って何?』

「お城はね、国で一番偉い人が住んでいて、とっても大きなお家のことだよ」

『何それ何それ』

 と、他のみんなまで興味を持ってしまい、みんなで一緒にお城のクラフト画面を覗き込む。


『ウルユ島の面積の4分の1くらいの面積を使うのですね。確かに大きいです』

 と、ラフちゃん。

『訳の分からない素材をいっぱい使うべ……この島では見たことないものばかりだべさ』

『必要魔力も500%……!? 無理ゲーですにゃ……』

 ゴブくんもルキちゃんも唖然とする。


 しかし、私はこう高らかに宣言した。

「決めた! 私、この島にこのお城を作りたい!」

『え〜っ!?』

 と、一同。

「あのね、普通のお城は偉い人のお家だけど、ウルユ島のお城、“ウルユ城”はみんなのお家なの。この島の住人なら誰でも自由に住んでいいお城」

『みんなのお家……超高級マンションってことですにゃ』


「そうね。それに、何か共通した大きな目標があった方が毎日の暮らしもマンネリ化しないかなぁって。別にそれに向かってめちゃくちゃ頑張らなくちゃいけない訳じゃないの。楽しければ全く関係ないことをしたって良い。でも、ふと何をしようって思ったときに、お城のことを思い出してくれたらそれで良いの」


『良いですね♪ ウチは大賛成です』

『ワイも、楽しみだべさ』

『オイラも、開拓していい理由が出来て嬉しい』

 破壊神かな?

『僕の勇者の光もたくさん必要そうですにゃ。腕がなりますにゃ♪』


「みんな、ありがとう! じゃぁ、確認ね、ウルユ城を建てるために足りないものは大きく分けて4つ。1つ目はお城を建てるための敷地。この島の北の辺りを開拓しようかな」

『オイラの出番だね』


「うん、ウル、お願いね。2つ目は私の魔力。これは商人ギルドの納品依頼をこなしたり、この拠点を豊かにしていくことで増やしていくね」

『ウチとゴブくんで素材を育てたり、ウルが集めてきてくれた素材の管理をしますね』

『だべ。頑張るべさ』


「ありがとう、2人とも。素材の保存庫なんかがあってもいいね。3つ目はお城を作るための素材。これは他の魔法陣に行ってみたり、島の外に積極的に出かけることで見つけるしかないね。そのために4つ目、必要なのは……手伝ってくれる住人!」

『僕の出番ですにゃ。魔物を浄化して住人になってくれるように頼みますのにゃ』


「うん、私も名前を付けるから、一緒に頑張ろう。これが、大きな目標ね、みんな良いかな?」

『おっけー!』

 と、一同。


「ありがとう。ひとまずは私の魔力を増やすことを目標に、この島での暮らしをもっと豊かにしていきたいとも思ってるの。色んな魔導具をクラフトしたり、お金を稼いで便利アイテムや可愛いお洋服を買ったりもしたい。みんなも何かやりたい個人の目標が出来たら、そっちを優先してくれたら良いからね。何度も言うけど何をしよっかなって思ったときに、お城のことを思い出してくれたらそれでいいよ」

『了解!』

 と、一同。


 大きな目標を設定したら、毎日のダラダラした生活にも意味が出てきた気がしてくる。そんなに急ぐことではないから、のんびりここでの生活を満喫しながら少しずつ達成していきたいな♪


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