表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
巻き込まれ幼女召喚〜無人島を拠点に自由気ままな異世界ライフ〜  作者: るあか
第一章 私たちだけの島

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/98

16話 日常の始まり

 朝食後、魔力残量を確認したら25%になっていた。84%も使っていたから、9%回復している。ウルの言う通り食べるとちょっとだけ回復するようだ。


 昨日依頼品として作成した木のお皿は必要魔力が0%になっていた。多分本当にゼロなんじゃなくて、1%未満ってことだ。

 つまり、このくらい小さい物なら今日はまだたくさん作れるから、今日もやっちゃおうかな、納品依頼♪


 昨日のうちに女神様が着せてくれてたワンピースは手洗いをして干しておいたんだけど、すっかり乾いていたので島着からワンピースへと着替える。島着も桶でバシャバシャと手洗い。

 ただ、もう一着ワンピースが欲しい……! 昨日服屋さんで見たあの2000C(クレド)のワンピース、あれが買いたい。


「えっと、昨日のお金の残りは……」

 作業台へ目を向けると、460C(クレド)とギルドの会員証が無造作に置いてあるのを発見した。

「460C(クレド)か……あんま残らなかったな。ってか、お財布作らなくちゃ」

 クラフトパネルを開くと“クエの(つた)”と“ラソワの実”でポシェットが作れたため、ベージュの質素なポシェットを作成。首に掛けて、460C(クレド)と会員証をしまった。

 

 よし、今日は2000C(クレド)+晩ご飯代を稼ぐのを目標にしよう。

「ルキちゃん、ウル! 商人ギルドに行くよ!」

『はいですにゃ』

『うん!』

 ルキちゃんとウルが私の周りに来たのを確認すると、ファストトラベルでマルシャンの商人ギルド前へと飛んだ。


⸺⸺港町マルシャン、商人ギルド⸺⸺


「まぁ、ユノさん、おはようございます。今日も納品依頼の受注ですか?」

 クマ耳族のディーナさんが入り口で出迎えてくれる。

「ディーナさん、おはようございます! はい、あっ……もう受付って開いてるかな……」

 そう言えば私、時計持ってないんだった……。

「ふふふ。時間を見ないで来たんですね、大丈夫です、ちょうど9時を過ぎたところですよ」

 ディーナさんはそう言って壁に掛けてある時計を指し示した。

「おぉ、良かった! あの、依頼って、一度にいつくまで受注出来ますか?」

「依頼は3つまで同時に受けることが出来ますよ♪」

「分かりました! ありがとうございます!」

 ペコリとお礼。

「ふふ。頑張ってくださいね」


 私は納品依頼のたくさん貼ってある壁へと直行し、どんな依頼があるかを眺めた。ルキちゃんとウルも手分けをして依頼を見てくれている。

「Fから始まる依頼は……と」

 低い位置の依頼しか見れないけど、こうして見てみるとFランクの依頼もたくさんあった。

 私は1枚の納品依頼書を手に取る。


⸺⸺⸺⸺


 納品依頼No.Fー20581


 【依頼品】

  ・木彫りのペンダント×20

  ・ミサンガ×20

    デザインは職人にお任せ(5種類以上)

 【納品期限】

  残り7日 ○月×日12時まで

 【報酬】

  4000C

 【依頼主】

  露店商人ジェイ・ブレッド


⸺⸺⸺⸺


 なるほど、露店で売られているアクセサリーはこうやって仕入れているのか。デザインお任せで1つ100C(クレド)で買い取りますよーってことよね。よし、これを受注しよう。

 昨日受けた依頼は一般の人からだったけど、多分商人ギルドの本来の使い方はこういうことなんだよね。職人さんと商人さんの仲介、それが商人ギルドなんだ。


 その依頼書を壁から剥がすと、少し離れたところでルキちゃんとウルが『ワンピースがたくさん買えますにゃ』『お肉もいっぱい食べられるね』と盛り上がっている事に気付いた。


「なになに? 何か良い依頼があったの?」

 2匹のもとへと駆け寄る。

「んにゃ♪」

『カフェからの依頼ですにゃ』

「どれどれ……」


⸺⸺⸺⸺


 納品依頼No.Fー20603


 【依頼品】

  ・木製プレート皿×30

   ※直径20cmくらいの物、仕切り無し

  ・木製の中皿×30

   ※直径15cmくらいの物

  ・木製ティースプーン×30

    

 【納品期限】

  残り20日 ○月×日12時まで

 【報酬】

  22000C

 【依頼主】

  カフェ・マリンキャット


⸺⸺⸺⸺


「やば……」

 オープンの準備をしてるってことかぁ。

 でも、一般人からの依頼の方が数量が少ない分、依頼品1つ辺りの単価は高めだった。こっちは大量発注でコスト削減的なあれだね。

 まぁでも、美味しすぎる依頼であることに変わりはない。納品期限もまだまだあるから、今日中にやる必要もないし。


「よし、この2つを受けることにしよう」

 カフェ・マリンキャットの依頼も壁から剥がすと、昨日と同じ端っこの受付にいたイヌ耳族のブランカさんを訪ねた。


「ユノさん、おはようございます。本日はどのようなご用件でしょうか?」

「ブランカさんおはようございます。今日はこの2つの依頼を受けたいです」

 そう言って2枚の依頼書と会員証を提示する。

「かしこまりました。受注手続きを行いますので少々お待ちください」

「はい!」


⸺⸺数分後。


「お待たせ致しました。“納品依頼No.Fー20581”と“Fー20603“の受注処理を行いました。こちら依頼主からの納品用の“魔導圧縮袋”となっておりますので、こちらをお使いください」

 ブランカさんはそう言って2枚の麻袋を渡してくれた。

 魔導圧縮袋とは何ぞや……!? まぁ、なんとなく想像できるよ。きっとお皿が60枚も入りそうにないこの袋の中に全部収まっちゃうんでしょ。

「はい、ありがとうございます!」

 2枚の依頼書をたたみ、会員証と共にポシェットの中へと入れて、麻袋を掴んで商人ギルドを飛び出した。


 そっか、お金が欲しくなったらこうやって商人ギルドで依頼を受けて、普段はウルユ島で好きなことをする。これが、私の新しい日常なんだ♪


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ