3.僕の宝物 【ロバートルートSS】〈済〉
「わぁ、お兄様!!すごい!!とっても綺麗ですわ!!」
僕の出してみせた赤い炎で作った蝶々を見るなり、妹のリアは勢いよくそれを追いかけて庭に駆け出して行った。
美しい星空の下でもそれに負けないくらい美しく、ゆらゆらと幻想的に揺らめきながら淡く光る蝶々がひらひらと舞っている。
蝶々に手を伸ばしてぴょんぴょんと跳ねてはしゃぎ回るリアーナの姿はとても愛らしい。
今日も地上に舞い降りた天使のように可愛らしい。
神様が間違えて地上に落としてしまったのではないだろうかと、たまに真剣に天に取り返されないかと心配して悩んでしまう。
リアは本当に天真爛漫で、先程まで泣いていたのに今はもう笑顔だ。
目元に残っている涙がキラキラと輝いている。クルクルと表情の変わる可愛らしい無邪気な僕の大切な妹。
本当に愛らしくて、目に入れたって痛くない。
「リアの為ならいつだって出してあげるよ」
「本当?またいいの?」
僕の方を向いて太陽のような笑顔で、嬉しそうにまたぴょんぴょんと跳ねる。
「お兄様大好き!」
僕の胸に飛び込んでぎゅっと抱き着き、見上げる妹は控えめに言っても天使だ。この世の可愛さの全てを詰め込んだ至高の存在で間違いない。
「僕も愛しているよ、可愛いリア」
少し屈んで彼女のおでこにキスを落とす。
「えへへ」
ニコニコと嬉しそうに笑う彼女と目が合った。
僕のたった一人の、可愛い可愛い妹。
リアの笑顔さえあれば僕は何も望まないから。
例え国が相手でも、僕はリアの笑顔を守る為であれば全てを敵に回すよ。
【...to be continued】
これはゲームでのストーリーになります