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消えたルームメイト④

 するとプルメリアがジェーンに飛びついてきて、腕をぎゅっと抱き締めた。


「私も捜したい! このままなにもせずにいられないよ!」

「リハなら抜けられるわよね。パレードとゲリライベント以外の時間なら動けると思うわ」


 カレン! 同じようにジェーンの腕を取った先輩を、プルメリアは嬉々と呼ぶ。


「じゃあとりあえず、俺たちでガーデン内を捜してみるか。関係のある場所でまっ先に思い浮かぶのはここと、園長の家くらいだろ。な、ルーク?」

「ジェーンちゃんには敵わないっスね」


 ダグラスに背中を叩かれて、ルークがへらりと笑うとルームメイトたちは深くうなずき合う。


「その園長の家はどこにあるか知っていますか? 私思いきってニコライ部長に半休をお願いして行ってみます!」


 昨日の今日で許可が下りるか不安があったが、上司の評価よりも断然ディノが大事だ。なにを言われても引き下がらない覚悟で言うと、ルームメイトたちはなんだかはっきりとしない顔をする。


「ウソか本当かわからないんだけど」


 そう前置いたのはダグラスだった。


「園長の家って、さっきの園長室って噂があるんだ」

「えっ。ロン園長はガーデンに住んでるんですか!?」

「『ガーデンは僕のすべてだ』とか『ここ以外、どこへも行く気はない』ってね、並々ならないガーデンへの思いを昼食の時に話してたらしくて」


 噂となった要因を話すプルメリアに、ルークも相づちを打ってつづく。


「夜勤の従業員が、夜遅くまで園長室に明かりがついてるのを見たって話もあるんス」


 そうなると人の出入りがある職場兼自宅に、ディノを隠す可能性は低いのか。

 いや、とジェーンは自分の考えを打ち消す。園長室の一階部分はまだ見ていない。


「だったら私が噂を確かめます。昼食を園長室で食べようと誘われているんです。できたら他にも探りを入れてみます」

「ジェーン、それは危ないんじゃないかしら。あなただって養子にと狙われているようなものなのよ」


 カレンが気遣わしげにジェーンを見た。絡まったプルメリアの腕が引き止めるように締まる。

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