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消えたルームメイト③

「俺たちが思っていたよりも、虐待は深刻化してたんじゃないんスかね。ディノの部屋に荷造りされたリュックがあったんスよ。ね、ジェーンちゃん」


 その線だ、とジェーンはハッとした。


「はい。ディノは私に逃げろとも言いました。ショーのお客さんの期待や信頼を裏切ってでも」

「ディノがロン園長の虐待から逃げようとしていた? そうか、それでジェーンが養子になることに反対したのか! でもバレて、捕まった……」

「もしそうならかなりまずいわ。家庭内暴力はエスカレートしやすいのよ!」


 ダグラスの推測を聞いて、カレンは緊迫した顔で訴える。


「ディノくんを捜さなきゃ……!」

「どこを? それより警察に通報したほうがいいんじゃないっスか?」


 青ざめるプルメリアの肩を押さえて、ルークは冷静に提案する。


「でも取り合ってくれるのか? 俺たちは暴力の現場もディノの傷も見たわけじゃない」


 ダグラスから視線を送られて、ジェーンは歯がゆく拳を握り首を振る。ジェーンとて血のついたティッシュを見ただけだ。


「そうね。たとえ取り合ってくれたとしても、今すぐ動いてくれるものでもないと思うわ。緊急性が認められない限り……」

「成人男性がひと晩行方をくらましたくらいじゃ、薄いっスよね……」


 警察の対応についてジェーンは疎かったが、カレンとルークの表情を見ると期待は持てなさそうだ。第三者からすれば地位も人望もあり、なによりディノの親である人物の言葉のほうが、よほど最もらしく聞こえるだろう。

 だけどディノはその親子の絆に苦しめられている。ロンからの暴力被害をディノは言葉にしなかった。父への情と心の痛みに苛まれている様子だった。

 ずっとひとりで傷の手当てをしていたのも、ロンはきっと目を覚ましてくれると信じていたからだ。そんな父に裏切られ友と引き離された心からは、今も血が流れつづけている。


「やっぱり私たちで捜しませんか」

「ジェーンちゃん……。でもあてがないんスよ」

「だったら全部捜せばいいんです。ディノとロン園長に関係のある場所、ありそうなところ全部!」


 弱った顔をしていたルークは、ジェーンの言葉に目を見張った。そしてダグラスとカレン、プルメリアを振り返る。

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