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お節介ルーク②

「なんか言ったか」

「ああ、言ったっスよ。シェアハウスの空気悪くされると、大迷惑だって」

「ふん。じゃあ出てってやるよ」

「そういうこと言ってんじゃないっスよ」


 脳天にそこそこ痛い衝撃が降ってきた。にらみ上げるとルークは横に移動し、ベンチの背もたれに尻を預ける。


「あんた、ジェーンちゃんとはただのルームメイトでいいって言ったっスよね」

「それがなんだ」

「それにしちゃさっきのは言い過ぎなんじゃないんスか。戸惑うのは当然……。ジェーンちゃんも言ってたっスけど、強がりに決まってる。あんなの痛々しくて見てらんないっスよ」

「俺にどうしろと? 謝れば満足か?」


 違う。ルークがきっぱりと否定すると同時に、ベンチがきしむ。向きを変え、背もたれを掴む手が見えてディノは顔を背けた。


「俺が見るに、あんた挙動不審なんスよ。無口で他人に興味ないのかと思えば、ジェーンちゃんを構い倒して。お次はルームメイトでいいとか言い出して、ダグ先輩のお膳立てする。挙げ句にはジェーンちゃんを突き放すって、なにがしたいんスか? めんどくさい構ってちゃん?」

「うるせえな。あんたには関係ないだろ!」


 うざったい視線を振り切って立ち上がる。その瞬間、いつになく低く空気を戦慄わななかせる声が背中にぶつかってきた。


「気づいたんスよね。自分の本心に。でもそれを受け入れられなくて、空回ってる。違うっスか?」

「なにに、気づいたって?」

「あんたは、からかってるうちにジェーンちゃんにマジになったんスよ。でも人と深く関わってこなかったあんたは、戸惑いのほうが大きくて逃げた。養子縁組も、だから認めるわけにはいかない。あんたはジェーンちゃんを、愛してるから」


 当たらずも遠からずといったところか。ロンの企てを除けば、よくここまで察しがつくものだと胸中で拍手を送りながら、ディノは鼻で笑う。


「大した妄想力だな」

「……自分の幸せより、ジェーンちゃんの幸せを取ったんスよね? だからダグ先輩にゆずったんだろ。あんたそんな……、それだけ深く愛してるならなんであんた自身がジェーンちゃんを迎えに行かないんスか!?」

「ダグラスがいるだろ」

「それ本気で言ってないっスよね。あの人はプルメリアへの想いも捨てられてないんスよ」

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