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ウソつき⑤

「うーん。さっきから企みって言っているけど、きみに話した以上の望みはないんだけどなあ。ディノくんがジェーンくんと結ばれて、たくさんの子どもたちと幸せになってくれたらそれでいいんだよ」


 ディノはハタと思い至り、息を呑んだ。父をはじめて畏怖いふのこもった目で見やる。


「それがあんたの望みか」

「神の定めた運命には逆らえない。きみもジェーンくんも、そして僕もね」


 運命。ジェーンを諦めるための口実をここでも出され、ディノはうんざりした。それを自分自身が感じたのならまだしも、ロンや神に勝手に決めつけられるなど冗談じゃない。


「やっぱりあんたの駒にはなれない。ジェーンからも手を引け」

「そうだねえ。時間制限を設けようか、ディノくん。そのほうがきみの考えも変わるかもしれない。んー……ハロウィンの夜までだ。十月三十一日の夜になったら、僕は強行手段に出るよ。それまでにジェーンくんが少しでも幸せになれる選択をよく考えてね」


 彼女を愛してるんだろう。

 そっと添えられたロンのささやきは、まるで呪いのようにディノの心にまとわりついた。

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