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シェアハウス男3人組①

 女子が盛り上がっている時、男はお呼びではない。それに石けんなどの美容に関わる話題は基本ついていけないし、どこに地雷が潜んでいるかわかったものではない。

 ということを、ディノはこの共同生活で学んだ。それはダグラスも心得ているはずだが、果敢にも割り込む隙間を狙って足踏みしている。

 ディノは、ひとりがけソファに埋もれるようにして、テレビを観ているルークにそろりと問いかけた。


「なんだ、あれは」


 ルークも気になっていたらしく、すんなりと「あれ」を理解する。


「や、俺にもわかんねえっスよ。さっきからあの調子で」


 とか言っているうちに、女子三人はソファを立った。「さっそく使ってみましょ!」と意気揚々にリビングを出ていく。

 行き先は言わずもがな、風呂場だと察することができて、追いかけたくても追いかけられないダグラスの手がむなしく取り残された。

 ディノはルークと顔を見合せる。そこには「こんなおもしろい状況、つつかずにいられますか?」と書いてあった。ルークがテレビを切ったのを合図に、ダグラスの背に呼びかける。


「おい、あんた。なにやってんだ」

「いやあ、ちょっとお……」

「用があるならひとりの時狙えばいいのに。つっても最近、女子三人は特に仲よくなってずっと引っついてるっスからねえ」

「そうなんだよ、ルーク。女子ってなんでいつも固まってるんだ? ジェーンに話しかけるだけなのに、難易度高過ぎだろ……」

「ジェーン? あんたジェーンに話があるのか」


 ディノはがっちりとダグラスの肩を捕まえて、さっきまで女子たちがいたソファに座らせる。そしてその横に自分も陣取った。

 急な食いつき! とルークから茶化されたが、この機会を逃すわけにはいかない。うまくいけばふたりの距離を縮められるかもしれない。

 それがジェーンの望みだ。


「で。ジェーンにどんな話があるんだ」

「いや、ここでは言いにくいことなんだよ」

「言いにくいってまさか告白っスか!?」


 ルークの言葉に思わず肩が震えたのはダグラスだけではなかった。ディノは焦燥にどんどん熱を失っていく心に、落ち着けと言い聞かせる。


「いやいやいや! 告白じゃなくてちょっと大事な話!」

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