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新舞台担当③

「クリス、私前に座りますね……」

「行ったほうがいいよ。あれはあとが怖いやつだから」


 幸運を、と送り出されジェーンはこそこそと前へ移った。するとプルメリアが自分の隣をあけてそこを叩く。よりにもよってど真ん中だ。

 ルームメイトたちに穴があくほど見られながら、ジェーンは観念して座った。

 その瞬間、ふわりとプルメリアに抱き締められる。


「話さなくていいよ」


 むくれた声とは裏腹なやさしい言葉に、ジェーンは目をまるめた。


「もう終わったことなんでしょ。それに、今ジェーンとても楽しそうな顔してる。それならいいの。私たち、ジェーンが笑ってくれるならそれでいい」


 でも、とつづけながらプルメリアはいっそうジェーンを引き寄せた。


「心配させられた分、甘えるからね」

「甘える、ですか?」

「ん」


 どちらかと言うと甘えさせてもらっている気がする。肩口に顔を埋めてくるプルメリアに、ジェーンは笑みをこぼす。

 隣でカレンも同じように笑っていた。


「じゃあ私は背中を流してもらおうかしら」

「ふふっ。カレンに甘えてもらえるのはとても珍しいですね」

「私も! 三人でお風呂入ろっ。毎日!」


 ジェーンがうなずくと、プルメリアはようやく満足げな笑みを見せてくれた。


「てかジェーンちゃん、ディノにだけは話してたんスよね。あの人だけずっと訳知り顔だったスもん」

「それはちょっと寂しかったよな……」


 ルークの不満にうなずいて、ダグラスは眉を下げる。ジェーンはハッとした。

 もしやディノだけ特別扱いしたと思われてる!?

 困った時、まっ先に頼りにしたいのは彼じゃない。そばにいて、見守っていて欲しいのはアメジストの瞳だ。


「あ、あのっ、ディノにはなぜか見破られてしまっただけでして……! 私から話したわけではないんです。それでディノからロン園長に相談して頂けることになったので、みんなにはすぐに話す必要はないと思い……。その、私も言いづらくて……」

「そっか。俺たちも気づけなくてごめんな」

「お喋りはそこまでにして頂いてよろしいでしょうか。小皇女様、ロジャー様」

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