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スライム・スレイヤー仮  作者: 蒼上ソラ
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実験

スライムについてアルフレッドの家で文献を調べる→魔物図鑑には名前くらいしか乗っていない。危険度のランクも規定されていないようなごくマイナーな魔物とわかる。また、図鑑に乗っていたスライムは俺が見た楕円形の球状の姿ではなく、粘液がベターっと地面に這いつくばったような状態の姿。わかりやすく言うと、アメーバのような存在のようだ。色は青系統ではなく、鮮やかな黄緑色。アルフレッドに俺が見たスライムは見たことがないかと聞いたところ、見たこともないし、聞いたこともないとのこと。町にいる元冒険者たちに聞いてみたらどうかと言われ、尋ねまわった。しかし、どの冒険者も知らないと言う答えばかり。もしかしたら全くの新種の魔物ではないか、と言う意見も出た。

アメーバ状のスライムと戦ったことのある人はいて、どんな感じか聞いてみると、地面にのペーっと広がっている状態で、身動きすらあまり取れず、目と口があるが、不定期に口から消化液のような物を吐き出すが、口が上を向いているので、上に50センチに向かって飛び上がるだけで、魔物のランクとしては最弱のFランクと言うことらしい。

生息地域は湿気のある水辺や日がささない森の中、洞窟に多いという。消化液自体は強い酸性なので、触れると皮膚が溶けて危険。ただしスピードも無ければほとんど無抵抗なので、こちらから1発で倒して仕舞えば余裕。

倒し方は、目と口の間にある「核」を剣などで刺せば、死亡する。

単細胞生物に近いものを感じる。


2週間がたった頃、ベローナに新聞が入り、そこに衝撃のニュースが載っていた。トスカナの村が滅ぼされたと言う件に関して、大々的に一面を飾っている。俺は真っ先にタイトルを見て衝撃を受ける。「トスカナの村が魔物に襲われ壊滅。新種の危険モンスター発見か」そう見出しに書いてある。そして読んでいくと、その村で出現してから、同じような姿形の魔物がいろんな町の近くにも目撃情報が集まってきたとのことだ。写真が貼ってあり、そこには猛スピードで移動しているため、ボケているが、明らかに楕円形の形が写っている。こいつらだ、と俺は確信した。

目撃情報はあるが、正体不明でしかも今はどこにいるかはわからないから、続報を待つことに。


その間に倒し方をマスターしなければ。

スライムの性質を調べ、どうやったら有効な攻撃を与えられるかを研究する。

スライムなのだから、この体表の一部であるこれを、溶かしたり燃やしたりできれば、倒すことが理論上可能になるはずだ。

と言うことで情報がもっと欲しく、ベローナから近い大きな都市、ジェノバ王国の中で第3の人口を誇る都市バレモアに日帰りでいくことにした。そこへは馬車で3時間で着く距離だ。

バレモア市の図書館でスライムに関する記述をまとめた本を読み漁る。図書館で借りて家へ持ち帰る。

他にも魔法薬学の本から知識を得たり、ベローナの学校で魔法学の勉強をする。

そこで得た知識を元に、いろんな薬学実験を行い、スライムの体表に対し、いろんなことをしてみた。

なかなか丈夫なもので、火で炙ったり、熱湯の中に入れて煮込んでみたりしたが、無傷で帰ってくる。

色々試した結果、酢につけると溶けることがわかった。

その理由を考察するに、中和反応が起きたのだ。酢酸は酸性でスライムはアルカリ性だ。

その証拠にオリジナルで作ったリトマス試験紙に酢酸をつけてみる。赤の試験紙につけると青になるため酸性。スライムの体表は柔らかいのだが、液体につけても溶けないことからおそらく表面に防護膜のようなもので覆われていて、液体を弾く構造になっている。だから体表をそのままリトマス試験紙につけることはできないが、溶けた液体にリトマス試験紙、赤と青両方をつけても色は変わらなかった。つまり反応した後の液体は中性と言うことになる。必然的にスライムの体表はアルカリ性と言うことになるのだ。また、町の冒険者が言っていたスライムの口から吹き出す消化液は肌が溶けると言うことから酸性だ。体内に酸性の物質を抱えていながら、なぜ体表のアルカリ性と反応して溶けないのかというと、おそらく、体内の酸性の液体が満たされている外側に体の表面と同じように膜が張ってあるのだろうと言う予想がつく。しかし、今の実験の様子でいくと、体の外を覆っている膜は酸性の液体に触れたことで溶けたことからアルカリ性だ。体内の内側に覆われている膜がアルカリ性だったら、自分の酸性の体液ですぐにその膜が溶け、体の表面ごと中和反応を起こし、死んでしまうだろう。そのことから考えるに、口内の内側の膜はアルカリ性ではなく、中性。アルカリ性の物質と酸性の物質を両方同じ体で抱えている非常に不安定な生物と言える。



この理論が正しければ、スライムに対しては酸性の液体をかければ消滅を促すことができる。

ただし、あの高速移動と素早い動きで攻撃されたらこちらが反撃する間もなく殺されてしまうから、そこをなんとかしないといけない。そのためには、まず身体能力を極限まで鍛え、あのスピードに対応できるようにすること。それに加えて、酸性の液体を吹きかけるのかする攻撃方法を考えなければならない。

常に酢酸や塩酸などの液体を持ち歩いていても、持ち歩ける量に限界があるし、そんなビンを大量に持つことで隙が大きくなっても殺される。

一番いいのは魔法で酸を生成できることだ。

水鉄砲を打つ感覚で酸を打ち出すような魔法があれば遠距離からでもスライムに応戦できる。できなければ近接戦闘で、剣に酸を塗るような形もありだ。


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