コンテンツ91―エピローグ、回想4
ジックとソディナ、カスタマイズ終了……回想。
ステルスの掛かったいつものドア。
いつものように開いた。
「お二方。さあ中へどうぞ。」
ジェイドに促されたものの、2人はその場から中に歩けない。
「どうぞ中へ。」
ジェイドの言葉にも、足が先へ進まない。
ルイスとガルシアは、肩を組んで工房の中に入った。
「こんにちは、お二人さん……なんで肩組んでるの?」
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工房の奥からグロビア氏が歩いて来た。
「お二人のAnnは、ご希望通りに完成したと思いますよ。マットが良い設計図を引いたので、私も満足です。」
「さぁ、ルイス、ガルシア。話しかけてやってくれ。」
マットの背後には、ジックとソディナが佇んでいた。
「ジック?私、ルイスよ。」
「ルイス様。カスタマイズは終わりました。今直ぐにでも、ご一緒にお出掛けしたいです、」
「ガルシア様。カスタマイズは終わりました。今直ぐにでも、天体観察に連れてって欲しいです。」
カスタマイズ後、初めてのAnnのメッセージだった。
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「お二人の性格は、ソディナと同期してメモリーしています。ご心配無く、ルイス様。」
「ガルシアー。この先うっかり余計な事は言えないわー。この子達は同期するなんて……。な、何で?」
「多分、マットがそうしたんだわ。近寄ると同期する様にプログラムしたのね。でも悪い事でもないじゃないルイス。それだけ私達寄りなんだって思う事ね。」
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「Ann達が同期する様にさせておくのは、悪い事じゃないよ。それぞれの不調や故障が直ぐ分かる。他のメンバーから知らせてくれもする。まぁ、ほぼ全てのメモリーを共有する事になるから、隠し事は難しいよ。でも、都合の悪い事は主として厳しく指示すれば、個別のメモリーとして保存するから共有しない。ところでルイスやガルシアはそんなに都合の悪い事が多いのかい?」
「そ、そんな事ないわ。ただ、同期する事を知らされて無かったから。ねぇガルシア。」
「そ、そう。その分、躾が大変だわって話よ。」
「お二人さん。これだけは言っておく。Annは道具ではない。君達をサポートしてくれる大切な友達だと思って接してあげて欲しい。いいかい?決して道具の様に扱わない事。メンテナンスは普段から本人達に話をする事。」
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「あらグロビアさん。どうしましたか?またパーツ調達のお手伝いかしら?」
「いや、そうじゃないルイス。宇宙船の引き渡しがそろそろ出来る。ずいぶん待たせたね。それで今日はIDと船名の登録が必要になるが、船名は決まっているかな?」
「はい。船名は『ケイド』でお願いします。」
「ケイドだな。分かった、その船名で登録する。明日は都合はどうかな?ガルシアと一緒に来るかい?」
「はい。明日早めにジックとソディナも連れて伺います。」
「では明日、引き渡しだが、その時面白い話が有る。楽しみに来てくださいね。」




