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ステルスの惑星(ほし)ーエピソード1  作者: ほしのみらい
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コンテンツ9―メカニックの気持ちに……

 シューロン市立図書館。借りた本を返し、再び重そうに3冊を借りて出てきたルイス。フローターに向かって歩く。


 (さて、またガルシアのドッグで勉強ね。)

 フローターに乗り込むルイス。


 「ガルシアのドッグまで行って。」

 言うと本を開いて読み始めるルイス。


 駐機場でそのフローターを見送っていたブロントがいた。ブロントも図書館へ調べ物で、時間があれば通っていた。

 水の惑星ほし(地球)RJ計画実行から戻ってきてからというもの、遺伝子学から天文学まで気になる事を度々調べに来ているのだった。

 

 (あの女性はメカニックではないのか?宇宙船関連の書籍、今回はどんなカテゴリーの本を借りに来たのか……。今度また見かけたら声を掛けてみよう。)


 ガルシアのドッグ。

 戻ってきたルイスは、早速本を読み始めた。


 「ルイス、今日はどの本を借りたの?」

「今日はAnnの歴史関係と構造、回路に関するあれこれよ。」

「ルイスがここまで本に没頭する姿を見るのが初めてだから、つい気になってさ。」


 「私だって本は読むわよ。興味の範囲内でね。」


 「私の方も、色々情報が入っているわよ。AI Corpみたいな大きな企業は、材料不足は無いらしいの。」

「ふぅん。じゃあやっぱり、小さな工房は大変なのかもね」

「そうね。依頼は有っても、対応出来るパーツの調達も大変だし原材料も不足……。」


 「あの時、ウロムナ金属のインゴットでもサービスさせれば良かったかも。」


 (ノアーナ星におけるAnnの歴史は長く、AIが確立した歴史と同じ歳月を()る。AIに関する法律も歴史と共に厳しくなってきている。搭載システムの進歩により、人型へ応用が出来るが、法律でこれを禁じ製造出来ない。無限軌道の足回りだが、昨今は重力制御で浮遊できるAnnの開発が進んでいる。)


 「ねぇガルシア。Annのカスタマイズ、どこまでやってくれるのかなぁ?」


 「さぁ、それは相談しないと分からないわよ。マットが連れてたAnnは利口そうだって言うけど、どこまでサポートしてくれるか、アームの作りやメモリー容量、カメラアイ、センサー、手を付けたらキリが無いわ。依頼通りにしかやってくれないかも知れないし、希望が叶うかどうかも分からない。」


 「……そうよね。マットからの連絡がまだだし、もう少し知識を蓄えてからジェイドに連絡するわ。」

「それが良いと思うわ。それまでは少し勉強ね。」


 「色々難しいけど、少しでもメカニックの気持ちに近付きたい。Annの事も考えてかなきゃ。」

「うんうん。それが良いよ。グロビアさんやマットも分かってくれるでしょ。」


 このところ2人は遅くまで本に集中して、かなりの知識が身に付いているはずだが、当のメカニックさん達には知る(よし)も無い。


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