コンテンツ81―ブロント、ケイドの機能を知る
帰り際の事……。
ハッチオープンの音声認識で、ケイドの持ち主で有るのが周りの人に知れると、早速声を掛けられた。
「ブロント、カウルと先に入ってて。」
そう言うとルイスは、声を掛けて来た同じ歳位の数人に応じた。
握手や並んで写真を撮られ、ジックが相方だと知ると、ルイスとジックのツーショット写真まで撮られる始末。
ようやく解放されたルイスはハッチを上がっていく。足元がフラフラだ。
「ハッチクローズ。……ふぅ〜〜〜。えらい事ね。サインはさすがに断ったわ。はぁ〜。」屈み込み膝をついてしまうルイス。
「言った通りだったろう。さ、ルイス。座って。」
シートに座っていたブロントが片方のシートを勧めてくれた。
「ありがとうブロント。……ジック。ブロントのドックIDまで向かって〜。ステルス忘れずにね。」
「了解、ルイス様。お疲れの様ですので、高度を高く取り、少し急ぎます。ステルス開放、上昇。」
「ありがとう。ジック、高度100でついでにエネルギーチャージをお願い。」
「かしこまりました。ではスピード8で速度固定、目的地まで航行します。」
「カウルはベルトをテーブルの横に繋いでいてね。ジックのマニュアル操縦だけど大丈夫よ。航行データは同期出来た?」
「はい、ルイス様。ジックからの説明も有り、理解しました。素晴らしいですね。」
「あら、ありがとうカウル。」
「帰りもジックが操縦か。……ジックー。今のスピードは?」
「ブロント様。スピード8です。エネルギーを充填しながらの航行ですから控えめなんです。」
「スピード8⁉︎控えめ⁉︎……全くGを感じないな。」
「ブロント、翼の辺りの音を静かに聞いてて。ジックー左右に1回転ずつお願い。音を確かめる。」
「了解、ルイス様。現状スピード8。このまま左右回転。」
左右回転と同時に、機体両側で唸りを上げるフライホイール。
姿勢が元に戻ると音は微かに聞こえるだけになる。
「ルイス?回転……した?」
「えぇ。それで音も聞こえたかしら?ジックー異常無し!」
「了解です。左右異常無し。」
「本当に左右に回転したなんて気が付かないな。全くGが感じられない。唸る音、確かに聞いたがそれは何の音?」
「音はフライホイールよ。左右のコントロールに同期して、回転数、回転方向を変えてサポートするの。Gを感じないのは、操縦に同期して重力コントロールするからよ。」
「凄い機能ばかりだな。」
「それもそうね。グロビアさんのアイデアの結晶。組合からはケイドのアイデアのパテントを取得したと思うわ。」
「それは良い情報だ。ロワートはメカニックの鑑だな。これからノアーナ星は益々発展する。嬉しい限りだ。」




