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ステルスの惑星(ほし)ーエピソード1  作者: ほしのみらい
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コンテンツ79―プロポーズ

 ランチの準備が整い、部屋のソファーに向き合って座る2人。


 ジックとカウルは窓辺で待機モードになっている。


 「普段ルイスの仕事は何を?」

「私、私はゴレイナで仕事をしてました。でも最近は仕事より趣味の方ばかりで、ガルシアと出掛ける事が多いわ。」


 「2人共マニュアル操縦する様だね。カウルがデータが欲しいと言い出すし、参ったよ。」

「珍しいとよく言われるけど、ノアーナ星では近い将来、マニュアル操縦は規制されるとか……。」

「フローターの数が増えてきた為にマニュアルでは危険だからと言う理由なんだ。まぁ、新規登録のフローターは初心者だし、マニュアルで移動する為に所有する人は少なくなった。時代の流れでオートが主力に変わってきたのも関係してる。」


 「ブロントは次期長官に就く時の公約みたいなものは有る?ブロント自身はノアーナをどうしていきたいか、とか。」

「ずいぶんシビアな話題になったね。……私自身は、今の長官の悪い部分を改善する。ビブレスやゴレイナのメカニックの一件でよく分かった。物事は計画的に進める。ノアーナを守る為に尽力を尽す。」


 「身体に無理無く公務に就いてくださいね。私からはそれくらいしか言えない……。グロビアさんから話を聞きました。代々のカーレイ家の事を。ノアーナを統率していくのは並々ならないと思います。ブロントが現長官を説得して計画の見直しをした。長官がブロントに代わっても、ノアーナは安心して過ごしていけると感じたわ。」


 「ル、ルイス……。そ、それには私の力だけではどうにもならない事も有る。ルイス!あなたに私を支えて欲しい。パートナーとして過ごしたい。私は、あなたとの婚姻を切に希望します。一生あなたを守ります。……ルイス、あなたとなら、私が長官職に就いてもノアーナを守っていける。婚姻の返事は……返事は君の気持ちがまとまったら聞かせて欲しい。」


 突然急な話に、ルイスは驚きのあまり、声に出して答えられなかった。

 将来、ノアーナ星の指導者たる職に就く人物からのプロポーズ。ルイスは婚姻の重大さをたった今知らされた。


 「ブロント?……返事は少し待ってください。……今の私には次期長官の妻としてやっていく自信が有りません。でも、あなたがこうして話してくれた以上、恥をかかせるわけにもいきません。ですから、よく考えてから返事します。」


 「ルイスからの良い返事を待ってるよ。……あー……」肩を落とすブロント。ルイスまでため息をついている。

 「あー、この話は今日帰る時にしようと思っていたのに……。ごめんなさいルイス。ランチの前に何て話をしてしまったんだ。せっかくのランチが不味(まず)くなるね、ごめん……。」

「だ、大丈夫。気にしてません私は……。す、少し早いけどランチにしましょ。ブロントの支度を見るところ、バーベキューですが……グリルが見当たらないけど……。」


 「そうなんだ。それでね、このホテルのバルコニー付きの部屋を選んだんだ。バルコニー付きの部屋には、バーベキューグリルが作り付けてあって、食材を持ち込んでOKなのさ。さぁ、ランチに取り掛かろう。見ての通り、バーベキュー!肉はシューロンでも評判の店で買ってきた。それと少しのドリンク。」


 話しながらバルコニーに出るとルイスにシートを勧めた。


 「ありがとう、私は何か手伝います?」

「いや、大丈夫。焼き上がるまでに、優勝を祝して乾杯しよう。アルコールは大丈夫かいルイス?」

「私は飲めます。」

「じゃあ乾杯といこう。」


 グラスに注がれた高そうなドリンクボトル……。

 「ルイス。優勝おめでとう!」


 グラスを軽く当てて、飲み始める2人。

 「ありがとう。」


 「ブロントは普段からアルコールをお召しになるの?」

「いえ、特別な時以外はあまり。」

「と言う事は、今日は特別なのですね。」

「もちろんさ、君の優勝祝い。今後の君の特別な日になってくれたらとも思ってる。」


 「それはプレッシャーね。返事はゆーっくりと考えますわ。」

「ど、どれだけゆっくりでも。だって、君自身の将来の事だから……よく考えて決めてくれていい、待ってる。……うん、待ってるから。」


 「そろそろ食べ頃に焼けてますよ。はい、どうぞ。」

ブロントと自分で串を持つと、次の串を並べるルイス。


 「美味しい。これはガルシアにも食べさせたい位よブロント。シューロンにも市場は有るの?」


 「もちろん有るよ。中でも評判の店の肉だ。美味いかい?」

「うん。これは最高ね。多分ブロントは、店にわがまま言って用意させたってのが目に浮かぶわ。」


 「えっ。何故分かったんだい?私はあまり買い物慣れしてなくて、とにかく美味い肉をと頼んだ。量は出せないと言っていたから、全てくれと……わがまま言って出してもらった。」


 「そうだと思ったわ。ブロントが市場で買い物ってのは、想像つかないもの。」


 「いや、買い物はするよ。普通にする。でも今日の買い物は特別だよ。」


 「これで、さっきの話を即OKしたら、まるで物に釣られた感たっぷりじゃない。だからもっと、ゆーっくりのゆーっくり考えさせて頂きますっ!」


「そ、そんなに力込めて言わなくても待ってるよ。」




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