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ステルスの惑星(ほし)ーエピソード1  作者: ほしのみらい
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コンテンツ69―宇宙船ケイド優勝!

 オフェイル邸では……。


『……大気圏突入して小さく見えてきましたっ。スタートと同じく量子プラズマの尾を引いてゴールに向かっています。このまま一旦水平航行からゴールかっ。良いタイムになりそうです。……おっと、ケイドは水平航行に移らず真っ直ぐにゴールポイントに向かってくる……』


 「ルイスちゃん、大丈夫?真っ直ぐゴールに向かったら海に墜落しちゃうじゃない!シェーン!ケイドがゴールまで速度を変えない。水平航行もしないでゴール⁉︎」

「ダメだ。ゴールチェックしても海に墜落する可能性も有る。ガルシア、ルイスちゃん……。」


 『……ケイドは水平航行に移らず真っ直ぐにゴールポイントに向かってくる。操縦はマニュアルの様ですっ。凄い、凄いタイムです。今……ゴーーール!……おおっとー、チェックした27番、そのまま宙返りし上空に向かったー。見事なゴールです。再び量子プラズマの尾を引いたーっ……』


 「宙返りで上空に向かったんだね。良かった。」


 「お、おいルシアーナ!」


 ルシアーナは興奮のあまり、気絶。慌ててシェーンが抱き起こした。


 『さぁ28番がスタートしました。……ここ時点で棄権が3機、3機出ましたー。いずれも70トン級の宇宙船(ふね)です。……30番と33番、ラストだった37番。先程の27番のタイムを見て検討した様です。これは前代未聞、棄権の参加者は大会初です。……これはまだ棄権者が出るかも知れませんねぇ。……さぁ、28番がリターナ重力圏。アンカーポイントの探知にかかっています。現在タイムは40ガノンを過ぎました。まもなく恒星の影に入ってくる。アンカーポイントの発光点滅が他の星に紛れると目視がしにくくなります。』


 「おいルシアーナ。大丈夫かい?」

「あ、あなた。ごめんなさい、取り乱しちゃって……。」

「ガルシア達は暫定トップだよ。ルイスちゃんの操縦が絶賛されてる。」



 駐機場で待機中のケイド。


 「ねぇガルシア?1ガノン42のタイムの感想は?」

「そうね。この記録は当分塗り替えられそうにないんじゃないかしら。友達からの通信が来て、まるで英雄扱いよー。1ガノン53の機体も健闘したけど、今後このタイムは無いだろうって。そろそろここに歓迎しに来る頃よルイス。」


 「……って事は、ケイドの製作者の名も知れ渡る?」

「当然よ。グロビアさんとマットは組合からも表彰される。」


 「それはグロビアさんには良い結果ね。博士号にもこれで1歩近付いたわ。」

「は、博士号⁉︎グロビアさん、博士号が取れるの?」


 「ブロントの話じゃ、ノミネートされてて、自分も推薦してるんだって言ってたわ。」

「ブロントが……推薦?……となれば、軍の仕事が舞い込むわねきっと。」


 「組合からの表彰となればマットもそれなりに仕事が入ってくるわね。このコンテスト、優勝機体のメカニックを称える為のコンテストでもある訳ね。」


 「あ、ルイス。友達が来た。外に出るけどあなたも一緒どう?歓迎どころかサイン求められるかもよ。」


 ルイスとガルシアはハッチから外に出ると、数人のガルシアの友達と全く面識が無いギャラリーまでが集まっている。


 歓声が上がる中、ガルシアは友達と話し込む。

 ルイスはルイスで、操縦士だとしてサインを求められる。


 ルイスはもみくちゃになりながらギャラリーからの祝福の言葉をたくさん聞かされた。


一方、会場アナウンスでは、更に36番が棄権したという。


 『28番がただいまゴールしましたが、2ガノンをオーバー。棄権者が5機になったところで、エントリーナンバー31番がスタートしました!……おーっと、どうしたどうしたー?31番大気圏離脱前に引き返しました。これは途中棄権の様です。』


 ルイスの横に居た年配のギャラリーがルイスに言う。


 「ケイドのタイムを知って棄権したり途中棄権は当たり前だな。このまま大会終了って事になるかも知れねぇよ。おめでとう。」


 その年配ギャラリーの言う通り、31番、32番は途中棄権。残り2機も棄権が発表され、ケイドが優勝となった。


 優勝機体が着陸する表彰スペースのIDが知らされ、ケイドが招かれる。だが、ここでもルイスのマニュアル操縦で表彰スペースまで飛び、着陸すると、ギャラリー達の大歓声が沸きたった。


 「そんなにマニュアルが珍しいのかしら。」

 「そうね。フルマニュアルで遊んでるのなんて私達位よ。」


 ルイスとガルシア。そしてジックとソディナがハッチから出て来ると、割れんばかりの歓声が上がる。


 表彰の様子はオフェイル邸でもモニターで見ている。もちろん、グロビア氏の工房でも、マットがモニターにかぶりつきだ。


 「おめでとうー!ルイス、ガルシア。ジックとソディナもよく頑張ったっ。保存した映像はグロビア氏に渡さなきゃな。」


 「ルシアーナ、落ち着いたかい?ほら、彼女達の表彰が始まるよ。また後でゆっくり映像を見られるがどうする?」

「もう大丈夫。ありがとうシェーン。……あ、トロフィー。それに賞金まで2人に贈呈されたわ。」


 その後、コンテスト優勝機体の紹介があり、ケイドは一躍有名になった。当然、製作者のグロビア氏とマットの名も公表されて、組合からの表彰と賞金が出る事になった。


 (第520回ノアーナリターナスピードコンテスト優勝機。50トン級宇宙船ケイド。タイム1ガノン42。乗員2名(操縦士ルイス=タイラー、機内サポートガルシア=オフェイル。サポートAnn2体(ジック、ソディナ)。機体製作、グロビア工房 : 設計製作者ロワート=グロビア、製作助手マット=アリントス。)


 メカニック組合と、コンテストのデータベースには、ケイドのデータが記録され、今後も語り継がれる事になるのだった。



 


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