コンテンツ61―Ann達の感情
ケイドの側でランチバーベキューをしながらの会話。
「ジック、ソディナ。その後調子はいかが?メンテナンスが必要な時は直ぐに知らせるのよ。」
「起動からまだ間もないので、機能上の不都合は有りませんルイス様。私にはソディナの資料の一部をメモリーしてあるので、アームで触れるだけの分析が可能になりました。」
「あら、ジック。ソディナみたいに分析トレーも欲しくなったかしら?」
「いえ、それはソディナに一任しますガルシア様。」
「ガルシア様。ジックのデータの同期から、ミクラットに限りマニュアル航行も可能です。以後はサポートしていただくだけでも航行出来ます。」
「ソディナもミクラットならOKなのね。良かったじゃないガルシア。」
ガルシアはやや不安げだ。
「ソ、ソディナがジックと同期してミクラットをマニュアル航行……。それはルイスのマニュアル航行に同乗しているのと同じ。……かなりハードな操縦って事なのかしら。」
「そこはご安心くださいガルシア様。ジックからの航行データを調整しながら航行しますから。」
「ううん、ソディナはお利口ね。本当の女の子っぽいわ。可愛い。」
「はいはい、それでは今日の記念に画像を撮るわねー。」
そう言うと、ガルシアはスーツの腕のボードを外して離れた場所にセットした。
「はーいみんな。思い出の一枚よ。」
ルイスとガルシアはバーベキューの串を片手にポーズしている。
画像を撮り終えボードを腕に戻していると、
「ガルシア様。記念とは何でしょう?思い出とは何か重要な物ですか?」
「ほらほら、ガルシア。ソディナが困ってる。教えてあげて。」
「うーん、それは……。」
答えをまとめるのに困っているガルシア。ルイスが代わりにソディナに答える。
「ソディナ。私達の記念って、その日その時の大切な一瞬。それを忘れないように画像に残すわ。」
「ルイス様。では思い出とは何でしょう?大切ですか?」
「ソディナのメモリーと一緒よ。ただ、私達はずっとメモリーを残せない。記憶出来るだけ記憶していくの。」
「ソディナもジックもメモリー出来る。記憶が残るわ。でも私達は消去してないのに忘れてしまう事もたくさん有るのよ。大切にしていればそれが思い出なのよ。ね、ルイス。」
「えぇ。そうね、メモリーボードが欲しいくらいよ。」
「必要なら、なんなりとお申し付けください。ガルシア様、ルイス様。代わりにメモリーしておきます。」
もう2人共半泣きだった。こんなにも寄り添えるのだと感じた時間だった。




