コンテンツ53―グロビア氏のカスタマイズ、カウル
ドックに誘導されるミクラットを横目に、カーレイ邸屋上に誘導されるフローター。
満面の笑顔で出迎えるブロント。
フローターから出るルイスとジック。
「こ、こんにちは。ブロント。私のAnnのジックです。ジック、こちらはブロント=カーレイさん。」
「やぁ、こんにちはジック。初めまして。私はブロント=カーレイ。ブロントと呼んでくれ。」
「こんにちは、ブロント様。」
「ドックまで家の中を通るけど、気にしないで。」
階段を降りるジックは少し2人より遅い。
「ごめんなさい。ジックは無限軌道で階段は苦手で……。」
「なんだ。私のAnnと同じだな。……よいしょ。」
ジックを抱えて階段を降りてくれたブロント。
「さ、ジック。この階がドックへ繋がる廊下だよ。」
「ありがとうございます、ブロント様。」
ドックのスライドドアの前でAnnが待っていた。
「ルイス、ジック。私のAnnのカウルだ。よろしくね。」
ジックは側で同期の様子。
ドアを開け、中に勧めるブロント。後からカウルとジックが入って来る。
ガルシアとソディナはハッチを出て待っていた。
「こんにちはガルシア。コンテナはそこにある。あぁ私のAnnのカウルだよ。……カウル、格納の手伝いを手伝ってくれ。」
「ありがとうブロント。カウル初めましてガルシアよ。それから私のAnnのソディナ。」
ソディナもカウルと同期を始めた。
その後、コンテナはミクラットのウインチでハッチの中に格納されて行く。カウルが向きを調節しながら格納を完了した。
「ガルシア。着陸装置が4ヶ所分。あとは外部装甲と内装パーツを少々。多くの規格品は積み込んだ。コンテナ一杯だから帰りは注意して飛んでくれよ。」
「分かったわ、ありがとう。じゃあルイス、私はこれでエンジャーに戻る。後で連絡して。」
ガルシアはソディナを連れてハッチに入って行った。
手伝っていたカウルがやって来た。
「カウル。お手伝いありがとう。あなたはカッコいいわね。」
「あぁ。カウルはロワート=グロビアと言う名高いメカニックに作ってもらったんだ。RJ計画も有ったからね。今最高レベルのスペックのAnnさ。」
「グロビアさんが?そうだったの?」
「なんだ、ルイスはロワートから聞かなかったかい。」
「聞かなかったも何も、Ann達のカスタマイズや私の宇宙船を製作して頂きました。つい最近。」
「ほう。宇宙船を。ロワートにしては珍しいな。どうだった?最高の出来栄えだろう。彼の技術はノアーナ1番だよ。私は今年のメカニック博士号に推薦した。多分ノミネートされてるだろうね。」
「私の宇宙船もカスタマイズを頼んだ。カウルも製作してもらった。ロワートは素晴らしいメカニックさ。……さて、そろそろ予約の時間だ。ランチに出掛けましょう、ルイス。」
「え、えぇ。それで私はフローターで行きます。帰りが有るので……。」
「ランチが済んだら戻って少し話でもと思っていたんだが……忙しいかい?」
「来週のコンテストにグロビアさんの宇宙船で参加予定で、その調整で立て込んでるので。」
「そうか。じゃあランチ中に少し話しましょう。」
(何を話すのか……。盛り上がる話題は無いわ。)
乗り気では無かったルイス。ランチの店のIDを聞いて、ブロントのフローターに付いて飛んだ。
シューロンの街では、そこそこ優良レストラン。
ルイスはジックをフローターに残し、ブロントと来店した。
ランチ中は、ブロントの仕事やRJに出向いた事。カウルの印象などを話しながら、何とか間が保てた。
「ルイス。また会ってくれないかな。……いや、都合の良い日にまた連絡を待ってる。来週のコンテスト、ロワートの為にも頑張って来てくださいね。コンテストの話も含めて、またゆっくり。」
店を出ると、ブロントへのお礼もそこそこにジックの待つフローターに乗って飛び立った。それを見送るブロント。
「ん?やはりマニュアルで航行……どうやらルイスとガルシアはかなりのじゃじゃ馬娘の様だな。」
空を見上げて微笑むブロントは自分のフローターに乗り込んだ。




