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ステルスの惑星(ほし)ーエピソード1  作者: ほしのみらい
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コンテンツ36―Ann達への気持ち

 ドックの壁には設計図が貼られて準備が整っている。


 明日搬送されて来る、骨組みから取り掛れる様に中央はすっかり物が片付けられていた。


 壁寄りのシートで、グロビア氏とマットが話している。


 「カメラとセンサーの位置は図面通りで良いだろう。フライホイールの形状は直しておいた。遠心力をいかに効率良く引き出すか。マットの設計は大規模な宇宙船ならいいが、この宇宙船では大き過ぎ、厚過ぎる。無駄な重量負担になっている。」


 「なるほど、この形状でこの大きさ。これなら姿勢制御として成り立ちますね。」


 「左右のホイールは回転方向は同じ、進行方向に対して正回転。旋回時に回転数を可変する。宇宙(そら)で急停止なんて時は逆転させてサポートする。機体中央部のホイールは考え中だ。良い案が有ったら話してくれよ。」

 

 「ロワートさん。中央部のフライホイールの制御の役割は何でしょうか?」

「中央部のフライホイールは、加速旋回を補う物として動かそうと考えている。機体センター位置に付け、回転を変えられる様にする。ジャイロと同期して左右に回り、回転数を変える仕組みだよ。」


 「あ、あの。お話し中失礼します。ボードが手に入りましたが……。ど、どこに置いたらいいでしょうか?」


 「あぁ、すまん。つい話に集中してしまったよ。おやおや、ずいぶん多い荷物だが?」

 

 「ガルシア。買い物はどうだった?」

「私とルイスで調達したんですもの。予定通りの物は買い付けたわ。ルイスのハッタリのおかげでAIユニットが2台サービスされたわよ。」


 「システムボード6台、AIユニット10台とはね。ロワートさん。彼女達、ブローカーとしてもやっていけそうですよ。」


 「マット。次の仕事では、その内のシステム2台はミクラットのメンテナンスで使って欲しいの。」

 

 「次の仕事まで決まったねマット。良かったじゃないか。AIユニットはジェイドにも積み替えておきなさい。ルイスの宇宙船(ふね)にはAIユニットを2台、システムボードが2台。」

「はいロワートさん。設計の通りのシステムに、更にAIユニットを同期させる事が出来るとは思ってませんでしたよ。」


 「フライホイールのコントロールもAIユニットが有れば、操縦桿と同期して、手足の様に動いてくれるぞ。これは完成が楽しみだな、マット。」


 側で聞いていたルイスとガルシアには何が何だかさっぱりだったが、グロビア氏の喜びようから、期待が高まるのであった。


 休憩の時の事。

 4人はテーブルを囲み、Annに付いて話していた。


 「マット、ジックとソディナはお互い同期出来るの?」

「あぁ、そうだよ。ジェイドも同期に加えさせてもらった。」

「やっぱりマットがプログラムしたのね?」


 「Ann達が同期する様にさせておくのは、悪い事じゃないよ。それぞれの不調や故障が直ぐ分かる。他のメンバーから知らせてくれもする。まぁ、ほぼ全てのメモリーを共有する事になるから、隠し事は難しいよ。でも、都合の悪い事は(あるじ)として厳しく指示すれば、個別のメモリーとして保存するから共有しない。ところでルイスやガルシアはそんなに都合の悪い事が多いのかい?」


 「そ、そんな事ないわ。ただ、同期する事を知らされて無かったから。ねぇガルシア。」

「そ、そう。その分、(しつけ)が大変だわって話よ。」


 「お二人さん。これだけは言っておく。Annは道具ではない。君達をサポートしてくれる大切な友達だと思って接してあげて欲しい。いいかい?決して道具の様に扱わない事。メンテナンスは普段から本人達に話をする事。」


 「は、はい。分かりました。」ルイスとガルシアの2人は声を揃えて返事した。


 「早くジックの苦手を探して逆にサポートしてあげなきゃ。」

「うん、私も思った。ソディナの苦手を見付けたら、それは指示しない様にする。」


 「ルイス、ガルシア。ジックとソディナの苦手探しはまだ早過ぎるよ。もう少し一緒に行動を続けてからだね。俺達と同じで、苦手はしっかり克服するよ。それがAnnだから。それでも苦手そうな行動だけサポートしてあげればいいのさ。」


 「道具の様に扱わない。友達の様に接する。こっちから気を使ってあげれば、同様に気を使ってくれる。……これは私のAnnに対する信念であり、個人的な心情でね。依頼を受けた全ての方々に話してきた。……Annは悪い様に躾ける事も可能だよ。あるいは兵器にもなるんだからね。……でも、そうあっちゃいけないから、依頼主にだけでも伝えてきたんだよ。」


 「そのロワートさんの考え方に、惚れて、付いて行きたくて、それで俺は仕事を教わってきたんだ。」

「そうなんだ。グロビアさん、凄く素敵なメカニックなんだって良く分かった。」


 「うん。なんか感動よルイス。感動で涙が出てきたわ。」


 「2人共、ロワートさんの言葉は守ってくれよ。」

「もちろん約束するわ。ね、ガルシア。」


 「うん。当然よ。」感動で涙するガルシア。


また、2人の側では、ジックとソディナがちゃんと待機している。



 


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