コンテンツ32―採掘結果と完成の知らせ
ルイス邸のドックまでの間の会話。
「ねぇルイス?こんなに泥んこになって、一体どのくらいのノアラート鉱石を採るつもり?」
「うーん、出来れば9トン。」
ケロッと言ってのけるルイス。とんでもない量だ。
「きゅ、9……トン……。呆れたー。ルイス!まさか9トン全て自力で採掘するつもりでいるの⁉︎」
「うん、そうよ。ウロムナ鉱石は採掘に工作機械がいるでしょ?その点、ノアラートは手掘りも可能。だったら必要量のノアラート鉱石だけでも採掘出来ればって思って。」
「それでー。今日の収穫はどの位だと思って?」
「200キロ位……。」
「それじゃあ40回以上採掘に通わなきゃならないわよっ!」
今にも噛みつきそうなガルシアに、ルイスが答えた。
「だから全てとは言わないまでも、半分くらいはね。これはグロビアさんやマットに対しての私の意思表示。……本気で宇宙船が必要だと伝えたいの。」
「ルイスの気持ちは分かるわ。でも私達だけで9トンのノアラート鉱石ってのは気の遠くなる話よ。」
「うん。ガルシアの言う事は十分分かってる。9トンの内の200キロ。微々たるもんよね。それで宇宙船を作ってくれとは、あまりに虫が良過ぎる。でも、本気なのだと分かって欲しいからさ。だから、次からは私1人でここへ来るわ。」
ルイスのドックに到着しても言い合いは続いている。
「ルイス。私は協力したくないからって言ってるんじゃないの。人の手でどこまでやれるのかって話をしてるの。」
「ごめんねガルシア。それは分かってる。量はどうでもいいと思うの。ただ、行動で示して、それで分かってもらえば宇宙船を作ってもらえるかなって……。」
「ルイスの思いは十分理解してるつもりよ。だからこそ一緒に採掘に行った。これは私の両親の協力も有るのよルイス。」
「うん。………うんうん、ありがとう。ありがとうガルシア。」
俯いたまま泣いてしまったルイス。
そっと肩を抱き寄せるガルシア。
「そんなの分かってるわルイス。グロビアさんに依頼を受けてもらうまでは続けましょ。」
2回目の採掘が済んで、荷下ろし中のフローターに通信が入った。
「ガルシア、ちょっとまって。マットからの通信。」
2人は鉱石のBOXを下ろしている所だったが、マットからの通信で中断、通信に応答した。
「はい。マット。久しぶりね。横にガルシアも居るわよ。」
「やあ、お2人さん。大変待たせてしまってすまない。グロビアさんの許可が出て、ようやく引き渡せる事になったよ。なので、明日、工房に来てくれないか。素晴らしいカスタマイズに仕上がったよ。」
「OK。ガルシアと一緒に、朝イチ伺うわ。」
「うん。そんなに早くなくてもいいよ。じゃ、待ってるから。」
待ちかねていたカスタマイズ完了の知らせだった。
「ガルシア。私達のジックとソディナが、カスタマイズ完了よ。あー、今晩は眠れるかしら。」
「良かった。待ちかねたものねルイス。もしグロビアさんが一緒にいたら、ノアラート鉱石の事、話してみたら?とにかく宇宙船を作って欲しいんだって訴えるチャンスよ。」
「そうね。Ann達の事で浮かれてはいられない。宇宙船の事も話さなきゃね。」
「さ、今までに採掘したノアラート鉱石の画像を保存して、グロビアさんに見てもらいましょう。私達の意思を伝えなきゃ。」




