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ステルスの惑星(ほし)ーエピソード1  作者: ほしのみらい
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コンテンツ14―インゴットとデートの約束

 その翌日早朝……。

「おはようガルシア。まだ寝ボケまなこね。工房はマットが設計で手が離せないんだから、仕方ないわ。インゴットを引き取って、工房に向かうわよ。……さ、ガルシア支度して。」


 フローターに乗り込んでまた寝てしまうガルシアだった。


 (毎晩、沢山の本を読み漁って、今後の行動を考えて……。しかも私の事をよく見てくれていて……。ありがとう、ガルシア。)


 ルイスは寝ているガルシアの額にkissをすると、ジェイドに通信して、フローターを上昇させた。次にブロントに通信する。


 「カーレイさん?ルイスです、おはようございます。これからシューロンに向かいます。お願いします。」

「おはよう、ルイス。インゴットはまとめて用意出来てる。合計7、80キロは有るが貨物室は大丈夫かい?」

「貨物室には何も入ってないので十分積み込めます。」

「それなら問題無いね。そのフローターのIDは登録してある。近くに来たらオートでここのドックまで誘導される。では、待ってるよ。」


 ルイスとガルシアの乗ったフローターはエンジャーからマニュアルで航行。

ブロントの考えていた時間を上回る速さで到着、ドックに誘導された。


 フローターからはルイス1人が出て来た。ガルシアはまだ寝ている様だ。


 「思っていたより早くて驚いたよ。……あれ、き、君は?図書館で会った……。」


 ルイスも図書館で声を掛けてきた男性だと分かった。


 「まさか、図書館で会った方だったとは。グロビアさんからは何も聞かされずにいたもので……。あ、貨物室、開けますね。」


 「早速荷物を積み込んじゃいましょう。……おーいカウル、この荷物をこちらの方のフローターに積み込むのを手伝ってくれないか。」


 「かしこまりましたブロント様。」


 「改めて、私はブロント=カーレイと申します。こちらは私のAnnのカウル。」


 「私はルイス=タイラーよ。フローターで寝てる友人はガルシア=オフェイル。カーレイさん、今日はありがとう。カウル、初めまして。ルイスよ、よろしくね。でー、フローターで寝てるのは……。」


 ようやく貨物室の物音に起き出したガルシア。フローターから出て来た。


 「ガルシア。こちら、インゴットを譲ってくださるブロント=カーレイさんにAnnのカウル。」


 「ガルシア=オフェイルです。初めまして。カウルは少し大きいAnnね。(たくま)しい。」


 横では早速カウルがインゴット入りの箱を運んでいる。


 「ルイス、ガルシア、と呼んで良いかな?私はブロントと呼んでください。」


 ルイスはせっせと運んでいるカウルが気になっている。


 (カウルは今まで見てきたAnnとは違う、少し大きいし……。すごく綺麗なAnnね。)


 「2人共Annには詳しいのかな?カウルのカスタマイズはロワート、あぁ、グロビア次期博士の仕事だよ。」


 「それでグロビアさんから話が有った訳ね。……次期博士?」


 「あぁ、技術者としての博士号です。私は彼を推薦するつもりなんですよ。」


 「ロワートには奥の宇宙船(ふね)もかなり手を掛けてもらってね。RJ計画は無事終わったから……。近く宇宙船(ふね)は解体する予定だけど。」


 「あら、解体するの⁉︎それなら一部パーツを引き取らせてもらえません?私、ミクラットという宇宙船(ふね)が有るんだけど、メンテナンスの時期なんです。足回りとか、使えるパーツは頂けませんか?」


 「それは構わんですよ。解体はまだ先ですがここでバラすので、コンテナにでも移しておきますよ。今日、その宇宙船(ふね)でいらっしゃれば、渡せるパーツも分かったんですが。」

「いえ、足回りと内装のパーツで十分です。」

「それは覚えておくよガルシア。……さて、残りを運びましょうか。2人はそのままロワートの工房に向かうかな?」

「えぇ、私達のAnnに使ってもらう為と思ってましたが、それ以上の物量の様で助かります。」

「そんなに材料不足が深刻なのかい?」


 「今ゴレイナではメカニック達の組合がストライキに入っています。もう小さな工房では死活問題。」

「……分かったルイス。私で力になれるかどうか分からんが、長官に話しておく。軍の作業工程の見直しを検討させる。」

「検討させるって……ブロントは中間管理職なんでしょ?」

「その長官は私の父親でね。少しは話を聞いてくれれば良いのだが、いかんせん頑固親父でね。……君達の話は確かに聞いたよ。父には後日話しに行く。」


 そこへカウルが来て、

「ブロント様、運び終わりました。」


 「いやぁカウル、すまない。話し込んで手伝わなかった。」


 「いえ。私だけで構わなかったです。貨物室だけではバランスが悪く、航行に支障が有りますので、フローター機体全体のバランスが良い様に積み込みましたので、乗員スペース側にも運びました。固縛も完璧です。」


 「だそうだ。ルイス、ガルシア。上手く乗り込んで運んでくれよ。」


 「ところで、ブロント。この荷物の代金を。おいくらで譲っていただける?」

「ロワートの工房で使う為だし……それからルイス。君と今度食事に誘って良ければ、代金は要らないが……。」


 「はい?今何て?」

「そ、その。今度食事に誘っちゃダメかな?」

「荷物の代金の代わりに付き合えとでも?」


 「いや、それは違う。あの……図書館で見かけてから気になってて。今度会ったら誘いたいなと思っていたんだ。荷物の代金は元々受け取る気は無いよ。誤解しないで欲しい。……このIDに連絡を待ってる。」

お互いのスーツの腕のパネルを合わせ、IDを受け取った。


 「フローターからの連絡になると思うけど……きっと忘れた頃に連絡するわ。荷物は確かに引き取ります。グロビアさんには無償で頂いたと伝えますから。……ありがとうブロント。」


 「ルイスー。フローターの中荷物だらけよー。」

「ガルシア、今行くー。……カウル、ありがとう助かったわ。」


 「ルイス様、またお会いしましょう。お気を付けて。」


 フローターに乗り込んだ2人。カウルがバランス良く積み込んだおかげで、普通に上昇し、ドックを出た。


 それを見送るブロントとカウル。

「何だ⁉︎またマニュアル航行じゃないか。あの2人は感じているよりじゃじゃ馬達かも知れんな。なあカウル。」

「航行技術に問題は有りません。同乗してデータを取りたいくらいですね。」

「ははは。確かにそうだな。私はマニュアルで飛ばない。身近でマニュアル航行データが無いからな。カウルの言う事は最もだ。」



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