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ステルスの惑星(ほし)ーエピソード1  作者: ほしのみらい
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コンテンツ12―ルイスの意思

 「えぇ⁉︎ ルイス、今何て言った?」マットが驚き聞き直す。


 「だから鉱石からインゴットを精製出来るか聞きたいんです。」

「20キロ分のインゴットを精製する位の溶鉱炉しかないが、鉱石から(じか)にも作れるよ。時間が無ければインゴットにしないでそのまま鋳造に取り掛かれる。」


 「じゃあ決まり。でもカスタマイズの報酬は減額してもらう。その代わり、ウロムナ鉱石とノアラート鉱石を持参します。」


 「数日の時間を頂くわ。今の材料で出来る範囲で取り掛かってください。ルイスと私はこれからクワレスとゴレイナに向かいます。」


 

 そこへグロビア氏が口を挟む。


 「ルイスさん、ガルシアさん。まぁそこまでしなくても、私らメカニックにも入手ルートはいくらでも有るから。はい先ずはこれを。」


 グロビア氏はルイスにメモを手渡すと、

「前に宇宙船(ふね)のカスタマイズとAnnの新造をした相手の連絡先。ブロント=カーレイという男だよ。今はRJ計画管理部本部長。……ヤツのドックには、カスタマイズやAnn製作で余ったインゴットを持っているはずだから、全て引き取らせてもらいなさい。グロビアがそう言っていたと言えば買い取れるかも知れない。ここは私が行くより、お嬢さん達で頼めば、嫌とは言うまいよ。それからこれ。ブロントのヤツからのインゴットが少ない時はここに行って在庫の確認をしてみて欲しい。」


 (RJ計画管理部……図書館で会った人?……まさかね。)

 ルイスはシューロン市立図書館で会った管理部のスーツの男性を思い出していた。


 2人が工房を出てフローターに乗り込む。

 グロビア氏が送りに出てくれている。


 今度はルイスの操縦で帰宅となった。

 上昇しながら飛び去るフローターを見上げるグロビア氏。


 (ほーマニュアル操縦。女性の操縦とは思えんな。無駄に動いておらん。……なるほど宇宙船(ふね)が欲しいのか……。マットの腕試しに良い機会かもしれん。)


 そしてフローターの中では……。

「ブロント=カーレイさんですか?私はガルシア=オフェイルと申します。突然のお話で恐縮です。あの、カーレイさんのドックにはウロムナ金属のインゴットを保管されてると聞きまして。」


 「この連絡先は何処から?」


 「あ、失礼しました。連絡先を聞いたのはビブレスのロワート=グロビアさんです。そちらにはインゴットが残っているだろうからと……。」

 

 「ロワートから。……えぇ、確かに残ってますよ。まだかなり有る。」


 「すみません。それ全て譲って下さい。お願いします。友人と引き取りに伺います。もちろん、その代金も支払います。材料が欲しいんです。」


 「ずいぶん急ですが、ロワートにAnnでも作ってもらうのかな?」


 「私と友人のAnn、ゆくゆくは宇宙船(ふね)も。今、ビブレスもゴレイナも材料が不足していてメカニックの工房が苦境に立たされています。」


 「それはまた何故です?工業地帯でメカニックの工房に材料不足ですか?」


 ここで話を聞いていたルイスは(じれ)ったくなり、

「割って入ってすみません。ガルシアの友人のルイス=タイラーと申します。あなたはRJ計画管理部の方だとグロビアさんから聞いています。軍の事情は全くご存知無いの?」


 「えぇ、私は本部長職に従事していますが、中間管理職の身。軍の事情までは感知していませんよ。」


 「聞くところによれば、軍の旗艦のカスタマイズ、新造艦の建造で、(ほとん)どの原材料は軍に向けて出されているようです。そこでグロビアさんから、あなたが使って残ったインゴットを保管していると聞いたので……。」


 「軍の事情がメカニックの生活に影響を及ぼしているとでも?」


 「ええ。まさしくその通り。大きな企業に発注しているとの事ですが、原料からパーツまでの全てが(かたよ)って流通しています。小さな工房、グロビアさんも含め、個別に依頼をこなしているメカニックは、まさにドン底に落とされるところなんです。」


 「ルイスの言う通り。小さな工房では溶鉱炉も小さく、ウロムナ金属を精製する事もままなりませんわ。カーレイさんのお持ちのインゴットを譲って頂ければ、グロビアさんの工房の役に立つと言うものです。お持ちの全て、引き取らせて下さい。」


 「分かりました。そこまで(おっしゃ)るなら全て譲りましょう。明日にでも、私のドックに来てください。ドックのIDを送ります。……連絡を頂ければ、着陸許可をします。お待ちしてますよ。」


 「ID届きました。では明日、このフローターで向かいます。」








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