コンテンツ10ー2人のメカニック
ビブレス=ガル郊外、ロワート=グロビア氏の工房。
ロワートとマットは、先日招き入れたルイスについて話していた。
「女性がAnnのカスタマイズの依頼ってのは納得いくが、宇宙船とはどう言う事だ⁉︎」
「ロワートさんの判断を待っている様です。あの時は、Ann2体のカスタマイズは受けられても、宇宙船は難しいだろうと伝えましたよ。今は材料不足も手伝って、宇宙船どころではありませんから。」
「マット。君はAnn2体のカスタマイズについてはどう思っている?自分で出来ると感じるか?」
「はい、今までのロワートさんの設計の手順から、依頼に合わせた設計図を起こして組み立てまで、出来ると思います。ですが宇宙船は、ロワートさんにまだ一部分しか教わっていません。それも俺が作業を見ていただけです。なかなかこれでは宇宙船まで作業なんて出来ません。」
「マット。私はそのルイスさんとやらの依頼、受けたらどうかと思うがね。なぁに、手は貸してやる。良い機会じゃないか。独立する為の自信に繋がる。……すまんがマット。コーヒーをお代わりもらえるかな。」
「あ、すみません。気が利きませんで……。」
マットは自分の分も一緒に用意して、差し出した。
「それでルイスさんは宇宙船については何と?」
「マニュアルとオートの両方が可能な機能が希望の様でした。」
「私は今日納品した分で少し時間が出来た。君の作業を見てるとするよ。聞いてくれたら答えるが、余計な口出しはしない。依頼に応えられる仕事をしてみると良い。宇宙船に関しては今は無理だ。工房のインゴットすら底を尽きそうなのに、宇宙船となったら当然無理だ。」
「分かりました、ロワートさん。Ann2体のカスタマイズの依頼は受けます。……宇宙船はロワートさんが……。」
「パーツも揃わない、設計した物の発注すら受けてもらえん状態だ。しばらくは宇宙船など作れんよ。」
「でも、1度ルイスとガルシアの2人には会って話したら良いと思うんです。悪びれた人格では無さそうで、なんだかAnnと宇宙船に特別な思いがある様に見えて仕方ありません。」
「連絡はつくんだろう?私に仕事が入らないうちなら会って話しても構わん。それはマットに任せるとしようか。」
「あ、ありがとうございますっ。早速連絡取ってみます。」
マットは、側で待機していたジェイドに声を掛ける。
「ジェイド。先日のルイス=タイラーから連絡は入った?」
「いえ、まだ連絡は来ていません。」
「じゃあ、先ずルイスのフローターに連絡して。出ない様なら、ガルシアのドックのIDへ頼むよ。」
ジェイドが通信しているが、やはりルイスのフローターには乗っていない様だ。
一方ガルシアのドック内のルイスのスーツにメッセージ。
「あら、マットからの着信。ガルシア、ジェイドに繋いでみて。多分依頼の話よ。」
そして工房の中では……。
ジェイドがガルシアのドックに連絡する前に、折り返し連絡が入ったところ。
「マット。オフェイル様のドックから折り返し受信。繋ぎます。」
「こんにちは、マット。フローターに連絡が有ったのでガルシアのドックから折り返したわ。」
「やぁ、ルイスこんにちは。側にはガルシア=オフェイルさんも居るのかな?」
「初めまして、ガルシアと呼んで、マット。連絡の話は何かしら?」
「2人共居るなら話は早い。1度ここへ来て欲しいんだ。ロワートさん、会ってくれるそうだから。君達の依頼の件は良い返事が出来そうだよ。」
「ロワートさんもまだ工房にいらっしゃる?」
「あぁ。ちょうど仕事の区切りが付いたところでね。次の依頼が入る前になら会って話してもって言ってくれたから。」
「ガルシア。これから行きましょう。支度して。……マット、これからフローターで行くのでお願いします。」
「フローターなら、ドックの横に着陸させて構わないよ。1番最初に来た時みたいにね。着陸データの履歴でオートで来ればいい。じゃ、こっちに着いたら外に出るからそれまで待ってるよ。」




