05
本日5話目です
翌日、俺はいつも通り学校に行き静かに席について机に突っ伏していた。
すると、優斗が俺のところに来た。
「叶翔、おはよ」
「あぁ、おはよ
……昨日は楽しかったか?」
「もちろん」
「そりゃよかった」
「叶翔はなんかあったのか?」
俺は優斗の言葉にかなり動揺した。
「なんで、何かあったって思った?」
「だってお前疲れてんじゃん」
(さすが優斗、よくわかったな)
「……まぁ、濃い1日だったよ」
「ハハッ、叶翔の濃い1日とか想像できねぇ」
「うっせ」
優斗が失礼なことを言うから俺は素っ気なく返してやった。
「で、何があったんだ?」
俺の反応に意を返すことなく、むしろ笑いながら聞いてきた。
「色々だよ」
「そっか~、なぁ叶翔」
「なんだよ」
「実はな、ここに来る途中に天宮さんにお前のこと聞かれたんだよ」
「天宮?誰だそれ」
「……お前知らないの?」
優斗が何故か『お前信じらんねぇ』みたいな顔をした。
「天宮琴音、今学校中で『女神がいる』って話題になってる。……ほら、前2組に可愛い子がいるって言っただろ?」
優斗の説明で俺はやっと思い出した。
「あぁ〜、前そんなこと言ってたな」
「で、昨日お前がたすけた助けた女の子」
「あぁ、やっぱりあの子が話題に上がっていた子だったのか。……でもなんであの子、天宮さん?が俺の事を聞くんだ?」
本当に天宮さんが俺の事を聞く理由が分からない。
「さぁ、そんなの本人に聞けよ」
「ところで、お前なんて答えたんだ?」
「言っていいかわかんなかったから、とりあえず知らないって言っといた」
優斗は俺があんまり人と関わりたくないのを知っているから、嘘をついてくれたのだ。
「そっか、ならあとは見つからないように気をつければ問題ないな」
「……たぶん無理だな」
優斗はボソッと呟いたため叶翔には聞こえなかった。
「ところで叶翔、お前日菜に俺が浮気してるって送ったな!?」
日菜とは優斗が溺愛する彼女のことである。
「え、なんか問題あったか?」
「当たり前だろ!?あの後日菜の機嫌が悪くなって大変だったんだぞ!?」
「お前にとってはご褒美だろ?」
「お前は俺の事なんだと思ってんのか、一度話し合わないといけないな」
優斗は真剣な顔をして言ってきた。
「今更何を、日菜になら何をされても喜ぶ変態だろ?」
そんな優斗に俺は笑顔で答えてやった。
「酷くね!?」
「まぁまぁ、気にすんな。それだけ仲がいいってことだろ?」
「確かにそうだけど!、納得できない!」
そうやって優斗と言い合っていたら教室に担任が入ってきて、優斗は渋々自分の席に戻っていった。
……優斗と言い合っている頃、ある少女が厄介な女を友達にしていたとも知らずに……