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04

本日4話目です

「たてるか?」



俺が聞くと少女は軽く頷いてたった。



「じゃあ、案内頼むぞ」



「わかりました」



そう言いながら少女は立ち上がり、ゆっくり歩き始めた。



「……」



「……」



この一切会話のない中、俺は疑問に思ったことを聞いてみた?



「お前はなんであんなところにいたんだ?」



そう、駆けつけた時に気が付いたが、少女がいた場所はほんとになにもなく、普通は来ないような場所だったのだ。



俺が聞くと少女は立ち止まりこっちを向いた。



「あなたには関係ないことでしょう」



と、まだ警戒しているのか、話そうとしなかった。



「あっそ」



俺が素っ気なく返すと少女は驚いたように目を見開いた。



その反応に俺は苦笑しながら返した。



「さっきも言ったが俺はあんたにこれっぽっちも興味がない。だからあんたがどこで何をしようと俺には関係ない」



そう返すと、少女はどう返すべきか戸惑ったような顔をした。



「皆が皆お前に興味を持つとは限らないだろ」



俺の言った言葉に少女は少し怒ったような反応をした。



「私だって皆が興味を持ってくれるとは思ってませんけど、今までの男性がそうだったのでしょうがないでしょう」



「自分の見た目には何も言わないんだな」



「当たり前です。小さい頃から『可愛いね』とか『綺麗だね』とか言われ続けてますし、自分でも普通より整っていると思っています。それに、見た目の維持を怠おこったことはありません」



その言葉にさっき怒ったような反応をしたのに、納得が言った。




「さっきの言葉は失言だった。悪かった」



俺が素直に謝ると少女はまた、目を見開いた。



「随分と素直なんですね」



「まぁ、自分が努力してきたことに対してその結果しか見られないのは気持ちのいいものじゃないからな」



そういうと今度は不思議そうな顔をした。



「あなたもそういう経験があるんですか?」



「いや、ないけど、どうして?」



「いえ、なんというか自分も経験したことがあるような口振りだったというか……」



「…それは友達にそういうかやつがいるからな」



「なるほど、そういうことだったんですか」



納得したのか少女はまた歩き出した。



(思ったより鋭いな。……言動には注意しないと。……というかこの方向って……まさか、な)





しばらく歩いていくと少女は普通のものより少し大きめなマンションの前で立ち止まった。


(……嘘だろ)



「私の家はここなので、もう大丈夫です。ありがとうございました」



少女は綺麗な所作でお辞儀をした。



「あぁ、わかった。もうあんなところ行くなよ」


俺はそう言いながらマンションの中に入っていった。



「えっ、あ、あの、ど、どうして中に入っていくんですか?私はここまででいいんですが」



少女は中に入っていく叶翔に戸惑いながら聞いてきた。


「どうしてって、俺の家もここだから」

 

そう、ここに来る途中に叶翔は薄々気づいていたが、少女と叶翔は同じマンションに住んでいた。


「えっ!?」


叶翔が言うと予想外すぎたのか固まってしまった。


(そりゃそうなるよな。俺だってめちゃくちゃ驚いたし)


「お~い、大丈夫か?」


「はっ」


ずっと固まっていた少女に声をかけると、ようやく動き出した。


「えっ、本当にここなんですか?」


「あぁ、俺は4階に住んでる」


「えっ!?」


少女はまた固まってしまった。


「私も4階なんですけど」


少女は言いずらそうにしながら言ってきた。


「はぁ!?」


今度は叶翔が固まる番だった。


「あ、あの、大丈夫ですか?」


少女に声をかけられ叶翔は我に返った。


「まじかよ。さすがにこれは予想外すぎる」


「まぁ、とりあえず行くか」


「そうですね」


……そして、叶翔と少女は自分の部屋の前まで行き、また固まってしまった。


「まじかよ」

「さすがにここまでとは思いませんでしたね」


(隣同士とかありえないだろ!)


そう、叶翔と少女の部屋は隣同士だった。


「はぁ、もう何でもいいや。今日は疲れたから、俺は部屋に戻るわ」

 

叶翔はそう言いながら中に入っていった。


(隣同士とはいえ、必ずしも関わるとは限らないし、特に問題ないだろ)


と、叶翔は考えていたが……


「また、学校で……」



叶翔はすでに中に入ってしまったため、その少女の声は届かなかった。



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