03
本日3話目です
「キャーーーーーッ」
俺が暗くなっているのを確認して、急いで買い物に行こうと思い、一歩踏み出そうとした瞬間、女性の叫び声が聞こえてきた。
「――ッ!?」
俺は、叫び声が聞こえてきた瞬間走り出していた。
少し走ると4人の大学生くらいの男達に無理やり暗がりに連れ込まれそうになっている俺と同い年くらいの少女がいた。
「離してください!」
「いいから早くこい!!」
少女が抵抗しようと暴れるが男の力にはかなわずすぐに大人しくさせられてしまう。
「おい、お前達何してんだ?」
自分でも驚くくらい低くとても冷たい声が出た。
そんな俺の声を聞いた瞬間、男達の体が跳ね、いっせいに俺の方を向いた。
「な、なんだ、ただのガキじゃねぇか」
「ガキはさっさと帰れ」
「もしかして正義の味方気取りか?」
「ハハッ、正義の味方とかまじで笑えるわ」
男達は俺のことを見て年下とわかった途端にバカにし始めた。
そんな男たちの言葉を気にもとめずに俺は男達に近ずいていった。
「なんだよ」
「やる気か?」
「怪我する前に帰った方がいいぞ」
「恥かくだけだぞ」
と、男達はさらに煽って来るが今の俺にはそんな声は全く届かない。
「チッ、やっちまえ」
一人の男が言った瞬間他の三人が殴りかかってきた。
「危ない!」
少女は俺が殴られると思ったか、そういい目をつぶった。
「グハァッ」
「グフェッ」
「グァッ」
次の瞬間倒れていたのは叶翔ではなく、殴りかかってきた男三人だった。
その光景をみた少女は目を見開き固まっており、男は顔を青くし、必死に言い訳をし始めた。
「い、いやこれは冗談だったんだ!ただの遊びだっ――――ゴァッ」
そして最後の男も叶翔に倒された。
「冗談や遊びで人の人生終わらせようとしてんじゃねぇよ、……っと大丈夫?何もされてない?」
俺はずっと固まっている少女になるべく優しい声になるように心がけながら話しかけた。
「は、はい。助けてもらいありがとうございます」
少女は少し警戒しながらも俺にお礼をいってきた。
(さっきあんな目にあったんだから警戒しても当たり前か)
「どういたしまして」
俺がお礼を受け取ったことに安心したのかさっきよりも警戒の色が少し薄れていた。
それに安心した俺は改めて少女を見てみた。
そこで俺はこの少女が同じ学校のやつだときずいた。
(たぶん、今日話題になっていた女の子だよな)
叶翔は優斗との学校での会話を思い出して、今日可愛い子がいると話題になっていたことを思い出した。
そしてなぜ少女が学校で話題の子なのかわかったかと言うとまず、制服が同じなのだ。
また、容姿がかなり整っていてハーフなのか銀髪と青色の瞳を持っており、正直今まで叶翔が見てきた中でダントツで可愛いと思える程の容姿をもっていたのが1番の理由だった。
……しかし
(かかわりたくねぇー)
叶翔は目立ずに、ひっそりとした学校生活を送りたいため関わりたくないと思っていた。
「いつまでもここにいるのはあれだから、送ってくよ」
叶翔がそういったとき、一瞬少女の目に再び警戒の色が浮かんだ。
そこで俺は誤解を与える前に俺の意見を言っておくことにした。
「一つ言っとくけど、俺はあんたにこれっぽっちも興味がない。ただ、また襲われたりしたら目覚が悪いから送っていくだけだから安心しろ」
実際叶翔は容姿が整ってようが、整ってまいが関係なかったし、全く興味がなかった。そんなことが少女にも伝わったのか警戒心が少し薄れた。
「分かったらさっさと行くぞ」
(まぁ、送るだけ送って別れれば明日には忘れられてるだろ)
と、そう考え叶翔は少女に早くこの場を離れるように促うながした。