第8話 いつの間にか中堅
それから2ヶ月ほど経った。角牛5頭くらいなら無理なく仕留められるようになっていた。
ギルド
「おまえら、いつの間にか中堅だなー」
とギルドの訓練時にギルマスが。
「冒険者にクラスってないんですか?」俺
「あー?どういう意味だ?」ギルマス
「何級とか冒険者をクラス付けするとかー」
「んーーー?なんか意味あるのか?」
「依頼受けるときにわかりやすいかなぁ?」
「んなん、自分の実力わかってないやつは生きていけねーし、依頼書には詳細があるんだから、自分がこなせるかどうかわからん奴は生きていけねーし。
依頼書の中身だって正しいとか正確にかかれているかくらい見分けるだけの知識と経験は持つべきだろう?下手にクラスとかわけて、それを信じ込んで突っ込んでいくバカとかいたらどうすんだ?」
「あー、まぁ、、そうかな?、、」
「それに、ギルドの職員は皆冒険者あがりだ。その程度の経験持っていないと、冒険者共に情報なんぞ提供できないし、責任持てないだろう?依頼主の言うことをそのまま信じる一般人が職員やってたら怖くないか?」
「、、、そりゃそうですねぇ、、」
「皆、自分の命の責任を持っているし、ギルド職員はそこを理解できているから、皆信用してくれているんだろ?」
「確かに、、、」
らぁのぉべぇええええ!!! やつあたりですが!!!ですがあ!!!
確かに、こっちに来てから今まで俺らが知った中で、「許可」「免許」「階級」など、最小限としか言えない程度しか見なかった。
絶対に必要なもの、例えば「奴隷売買許可証」これは許可証を発行したそこの領主が責任を持つもの。
悪党に奴隷を扱わせないために、必要悪として許可しているだけだ。
宿や食堂や鍛冶屋や薬草屋などは許可証などなかった。
不味い、下手くそ、騙し、などすぐ悪評がたち、客が来なくなる。
接客態度が悪くても良いものを作ったり売ったりしていれば、ベテランが常連になる。
勿論クレーマーなんぞチンピラだけだ、一般人でそういう頭の腐ったのはいない、そういう奴がいたらハブにされ生活できなくなる。こっちの世界の人々は、見る目があるのだ、必要な行動をとれるのだ。
規制になるようなものは、なければ越したことがない。悪事を見抜く力を持つ人々が、悪をのさばらせる場所を作らないため、規制など作らなくとも防げているのだ。
騙される者がいなけりゃ、騙そうとする奴は出てこれない、ということだ。
許可証があっても、許可の範囲内でも、常識を逸脱すれば許可取り消し+罰をくらう。その判断は領主側にあるが、その判断を間違えると、領民から悪評が立つ。なので正しい判断を必要とされる。
そういう世界なのだ。
自分らが、生きていくためだけに、そのためだけの最低のスキルでも、かなり必要になるだろう、俺らのいた世界に比べれば。
あっちは温室だったな、、そう言えば神がなんか言ってたな、あまちゃんだのもやしだのあまやかされだの、、と、、
皆、同様に深刻な顔していた。俺らは似たりよったりなのだ、この程度は皆わかるのだ。