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第6話 毎日の仕事、山さんとの再会、風呂屋

「ふんふんふーーん、いぬのふんーーー、ふんふんふーんねこのふんー」

「おい神田、なんだそりゃ?」

「いや、さっき採取したところで糞を見たからー」

「「「「言えよ!!!」」」」


「いや、小動物、猫くらいの糞だったよ?」

「はい!沖田くん!!」

「こっちでは、猫、うさぎくらいでも魔獣というものがいる。うちら一人じゃ、今のレベルなら不味いんじゃないか?程度だが何か?」

「ごめんなさいっ!!こんどっから言いますっ!!」


「糞の中身を見れば、草食か肉食かがわかる場合もある。できれば調べたいよね。なんでも良いから、なんかあったら言い合おうな!」

沖田男前じゃん、

「「「「らーじゃー」」」」


結局、普通のイノシシの子供だったみたいで、採取中、団体で俺らの前を通り抜けていった。

採取は完了できた。俺ら自分たち用にも少し取っておいた。どくだみと同じような効能だという。部屋の隅に吊るして乾燥させる。



そんなこんなでだいたい毎日採取を続けた。

週に一度はギルドで武器の訓練を受けた。

毎日の素振りの成果で「正しい振り方が身についた」とのことなので、今は「型」を教えてもらっている。


なので毎朝の鍛錬が増えた。素振りは続けていくもんだ、とのことなので、新しく覚えた型を何度もやる。身についた素振りの時間は半減していたので、型も身につけばさほど時間もかからなくなるだろう。


もし「一人だったら・・」と考え、、多分朝練はサボってたなー、そう思うと怖かった。

女子の弓は型は無いので、実射。宿の庭は小さいので、近距離で小さい的に。また、女子も剣の素振りは覚えさせられた。なので毎朝振っている。




こっちに来てからひと月近くになった頃、夕飯を宿の一階で摂っていると、山さん達が入ってきた。

「やまさん!!!」俺が最初に気づいて思わず声を上げた。


「おお!お前ら!生きてたかー、なんだ、いっちょまえな見栄えになってるな!安心した、、。」山

「「「「その節はーー」」」」



山さん達はとりあえず部屋を取り着替えて降りてきた。

「銭湯には行ったのか?」

「「「「「は?」」」」」なにその懐かしくも激しく思い焦がれる響きは?!

「一ヶ月もいて知らないのか?気持ちいいぞ?」

「「「「「気持ちいいのは知ってますから!!!」」」」」

俺らは速攻で飯を終え、山さんたちに連れて行ってもらうことにした。


「いやー、風呂なんてどんだけぶりだろう?体が覚えているだろうか?!!」

「そんななんか?」

「いえ、やく一月ぶりでしょうけどwでもそれまで毎日入っていたんで、それからこっちじゃ体を拭く程度しかしていないんで、、、川に水浴びにでもいきたかったんっすけどねー」


「川は危ないぞ」

「寄生虫とかですか?」

「いや、魚系のモンスターがな、食われるぞ?」

「ピラニアかい!!!」

「なんだ知っているのか。」

「まじっすか!!」

同じ名前の同じような習性かよ、、まてよ?地球のピラニアってこっちから、、、まさかな?な?

皆の顔を見ると、似たように青い顔をしていた。


そんなんも、風呂を出たら皆ピンク色のニッコにっこ顔だ!!

一人大銅貨2枚なので頻繁には行けないが、週一くらいでいきたいものだ。

でも大金貨1枚程度で庭付きの小さめな家が買えるので、節約すべきか?これは会議だな!

危惧したとおり、女子たちに押し切られてやっぱ週一に銭湯。


で、宿に帰って山さん達は晩飯と晩酌。俺らはエールをちびちびとつまみで、山さん達とお話。

何やら山さん達は妙な話を仕込んできたらしい。

多分、残されたクラスの奴らのことだろう、と俺も山田もピンときたので皆の顔をみたら、やっぱピンと来ていた様子w似たもの同士だな俺ら!!



「お前らに最初に出会ったときのお前らの服装と似たような物を来た若い奴らが何人か奴隷に売られていったそうだ。勿論その服など全て奪われて。また、別のところで小さな商隊が、変わった服装の若い奴らの集団に襲われたそうだ。そいつらは武器を使わず、というか持っておらず、何人かが強力な魔法を使って攻撃したらしい。商隊の護衛はすぐに全滅だと。


お前らの関係者かどうか知らないが、お前らは今は力がないだろう?何も気にする必要はない。気に病むなよ?今のお前らには力がない、どうすることもできないのだから。力がある者たちがなにかをすればいいだけだ。


奴隷の件は気の毒としか言えないが、それこそ知恵と努力と、その上での運だ。お前らは事前に用意していた。俺らと出会った運を使い、戦う努力をして勝ち取った。奴隷になった奴らはそれが全てなかったか、何かがなかった、だけだ。


お前らは、今は自分たちが強くなり、生きていくことに不自由しないようになるために努力をすればいい。今まで以上の努力をすれば、きっと、行きたいところまで、とは言わんが、それなりにまで行けるだろう。

余計なことは気にするな、考えるな。」


山さんはどこまでわかっているんだろう?見通す力でももっているのか?と思わせるくらいだった。

俺の仲間たちは俺みたいにぐれていないんで、素直に聞き入り、しんみりしていた。これが本物の大人の説教、なんだろうな。ありがたい、心から思った。



「で、俺らのチームはこれから数日は休暇でのんびりする。その後なんかしらの依頼を受け、多分また町を離れるだろう。その休暇中に、お前らを一度か二度、狩りに連れて行ってやる。戦いを見ないと戦い方はわからないからな」

感激に皆潤んだ目を山さんに向ける!!


「・・でも、どうしておれらにそこまでしてくれるんですか?」


「・・俺らだって最初は初心者、何もわからなかった。でも同じように教えてくれた人たちがいるんだ。その人たちに同じように聞いたんだ、そしたらな、『俺らも最初は初心者だった、そのときにこんな感じで教えてくれらた人たちがいた。その人になぜそこまでしてくれるのか?と聞いたら、”お前らが一人前になったら、初心者で素直な良い子達がいれば、同じように助けてやれ。”と。』カッコよかったなーーー、思い出すと今でも痺れるわー」


「わかりました。俺らも山さん達やその先輩たちをすっげーかっこいいと感動してます!それを継承します。な?」

「「「「おう!!」」」」


おれらは素直でいい子らしい。素直な子でよかった!!素直に育ててくれた両親、友人どもよ!ありがとう!!おまけに神もな!

その晩は皆結構酔っ払った。嬉しかったからなー♪


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