異世界生活1日目:終了
「・・・でだ。力の話に戻ろう。」
アトルの名前の件はひと段落してブラフマーはそう告げた。
「さっきも言った通りお前の中に3分の一があるといっただろう?ある程度の制御はできるが正直ちょっと不安なところがある。」
「不安なところって?なんだ?力の暴走とかいうやつか?」
「あぁそうだ。」
覚悟はできていた。
よくよく考えてみる。
暴走の話はしたが具体的にどう暴走するかは一切知らない。
「なぁ、気になったんだが暴走するとどうなるのか?」
「たしかに暴走するとやばいってことは知っているがどうなるんだろうなぁ・・・。わからない。」
「え?まって詳細も知らない能力を俺に押し付けたのか!?」
「押し付けたとはなんてことを言う!押し付けたのではない、譲ってやったのだ!でも、そうだなよく知らない。完全に力があったら完璧だったからな!」
ドヤ顔
もっと自分の力に興味を示しなさいって言ってやりたい。
「調べようとしたことはないのか?」
「あぁ、もちろん!というかどうやって調べるんだ?」
ブラフマーは当たり前のようにそう告げた。
調べることなんて簡単だろ!
なんたって俺たちにはGO○○LE大先生が・・・
そうだ、ここは異世界だった。
そうだなぁ調べる方法、調べる方法・・・
あっそうだ調べると言えば
「なぁ、ブラフマーここの近くとかに図書館とかってないのか?」
スマホがない今調べ物といったらこれだろう
「すぐこの森を抜けた先の町にあったぞ確か・・・あっ」
俺は聞き逃さなかったぞ!
今こいつ“あっ”って言いやがった。
実は思いついてなかったやつだこれ。
だが俺はそこら辺について深く追求しない。
なぜかって?
大人だからである。
完璧で幸福な俺は立派に大人なのである!
「ま、まぁそうだな!おまえよくぞ思いついたぞ!」
追求しなかったらしなかったで直ぐにこれだ。
「なぁ、ふと思ったんだがその“おまえ”って言うのやめてくれないか?」
どうせ、神様だからとかそんな感じの理由づけて文句を言ってくるだろうなと簡単に予想できる。
「そうだなぁ・・・、アトルにも名前をつけてくれたことだしそんなおまえにおまえ呼ばわりは失礼だな。透、透とよぶことにしようか。」
驚いた。まさかこんなにあっさり許可されるとは思わなかった。
しかも下の名前を呼び捨てときたもんだ。
いきなり距離が近づきすぎじゃないだろうか。
「そうだな透、君のためにもその力のためにも町に行ってみるとしようか?」
「あぁ、そうだな。それがいいと思う。」
この世界の町入った移動言うところなんだろうか
西洋風?
それとも都市化されてたり?
全くもってわからん。
目覚めた場所が森の中じゃなかったらまだこの世界の文化の進み具合とかわかったとおもうんだが・・・
「あ、そうだ。アトルはどうするんだ?」
なんか町に出たら能力のせいで頭が割れるとかなんとかって言ってたよなって思って聞いてみた。
「あ~、そうだな。アトル、おまえはどうしたい?」
「う~ん、そうだね。もし私一人だったら心配だったんだけどブラフマー様もいることだし一緒について行きたいかな」
「だ、そうだブラフマー、いいか?」
「あぁ、別にかまわないがなぜ私に聞く?」
「いや、ほらだって一応親?だし?」
「あ、あぁなるほど、なら親としてアトルの町への外出を許可する!くれぐれも私から離れるなよ?私といればなんとかアトル後からは押さえられるからな!」
初耳だった。なんだアトルの力、押さえられたのか・・・
「じゃあ、アトルの外出許可も出たことだし行くか?っと思ったけどもう真っ暗だな」
完全に話の方に気をとられてたせいで気がつかなかったがあたりはすでに真っ暗なのである。
ブラフマーとかアトルはどうかはしらないが人間には睡眠が必要なのである。
「真っ暗だし、寝て起きて朝になったら行くか。町の場所とかもわかんないから完全にブラフマー任せになっちゃうけど。ふぁ~~」
辺りが暗いと気がついたとたんに眠気が回ってきた。
「そうだな、私たち神にも一応睡眠は必要だしな寝ることにしようか。」
ブラフマーは中に手をかざすとまた魔方陣が出てきた、が今度は何も詠唱せずに空間から布団一式が出てきた。
「詠唱なしでもできたんデスネ・・・」
「あぁ、正直不慣れな魔法に関しては詠唱してる、・・・もういいか?いい加減眠い。」
ブラフマーは律儀に人数分の布団を出してそそくさと布団の中に入った。
俺も眠かったので布団に入った。
俺とブラフマーが布団に入ったのを確認するとアトルも布団に入った。
俺は寝る前にブラフマーに一つ重要なことを聞いた。
「なぁ、ブラフマー。ブラフマーって呼ぶの長ったらしいしいざとなったときに面倒だからブラフでもいいか?」
「あぁ、ふぁ~べぇつにかまわんぞぉ・・・とおるぅ・・・」
しっかりと質問には答えながらにブラフマー、いやブラフは寝てしまった。
さて、明日だ。
明日からが本格的に俺の異世界での生活になると思う。
「ちょっと楽しみだな。」
最初は何が何だかわからなくて不安だったけど、いざこうなると現世より快適な気がしなくもない。
さて、俺はもう寝るとしようか。
ふと横を見ると俺の右にはブラフ、左にはアトルといういわゆる川の字で寝ていた。
アトルは明日のことをちょっと考えていた俺の顔をじっと見ていた。
ブラフはというと・・・もちろん寝てしまっている。
。
「アトル・・・さん?俺顔に何かついてたりするのかな?」
「ううん、ちょっと気になってみてただけ。君の記憶で見た場所、見たことない場所だったから不思議で、あ、眠る邪魔しちゃったよね?ごめんね、透、おやすみ」
「お、おぅ、アトルもおやすみ?」
なんだ、アトルはほかの世界のことを知らないのか・・・
今だってほら俺たちを覗いてる存在が、あれ?
覗いてる存在って何だ?
他の世界って?
俺のいた現世じゃないのか?
まぁいいやもう流石に眠気が限界だ寝よう。
そのとき、透の左の目が赤く光っていたことを誰も知らない。