二週目-2
この王女、メイリーン・ザラグは頭脳明晰である。
5歳という年齢にして、旧国王の欠点、改善点を指摘した。
そして「すぐにでも改善しないと、この国はすぐにでも滅びると思いますわ。」
娘の指摘を無視し、己の利益のみのために今のままの国政を続けた前国王は、メイリーンが6歳の時に王国は崩壊した。
その直後、前国王の召使いをしていたリグヴェド・スケイプを新国王とし新たな時代が続いていた。
そして、メイリーンは新国王リグヴェドを背後から操り、その国は瞬く間に世界最大の王国‐エルフェルド王国となった。
「あくまでも推測でしかないわ、これが合っている確証はないけど私自身は確信してるわ。」
メイリーンは、そう前置きをして話し出した。
「まず、今この時間では、ルメスは女よ。だから貴方達が言っていることは嘘だと思った
わ。でもね彼女の弟子、次期ルメスたる男の子がいるわ。」
ルメスには師匠のような存在がいた?
としてもだ。あいつに、そんな人がいる雰囲気はまったくなかった。
「ちょっと待ってください、師匠だなんてそんな人いる雰囲気はなかった!俺たちが会ったルメスは、明らかに独り立ちをしていました」
「それはさっき私が感じた貴方たちの時間と今ここの時間とのタイムラグですべて解決されるわ。問題は、何故この時間なのか。」
そういわれてみればそうだ。この世界の中で閉じ込めておくなら、自分たちの経験した時間の中に閉じ込めればよかったものをなぜわざわざこの時間なのか。
「私自身も、それが気になるし。そうね私も貴方達と行動してもいいかしら?」
‐おい、まてよ。そいつを連れて行って大丈夫なのか?
-ひょっとしたらそいつもあいつの掌で転がされてるだけかもしれねえ。
いや、それに関しては大丈夫だ。理由は至極簡単だ。
俺がいるからだ。
前までなら、こんな考えはしなかったしできなかった。
こんな世界に来て実際にわかったんだ。
この世界でなら俺は幸運だ。
‐そうかよ。お前がそう言うならしかたねぇ。
‐どっちにせよ、今の俺には口出ししかできねえからな。
「よろしくおねがいします、メイリーンさん。もう一人との合意は取れましたから。」
「そう、なら私のことはそのままメイリーンでいいわ。わざわざ国の外に出てまで敬語で話されたくないもの。それより、お隣の人ちゃんと話聞いてたのかしら?」
そういわれて思い出した。
頭の中の自称虚とばかり話していて、もう一人の虚の方を忘れていた。
‐一応は俺なんだ。忘れないでくれよ。
あぁ、すまない。
こっちにもちゃんと謝らなくちゃな。
「すまん、虚忘れてた。」
「はい・・・その・・・大丈夫ですから・・・。」
口では大丈夫とは言っているものの、口調や少し顔を伏せたところから傷付いてしまったらしい。
本当にすまん。許してくれ虚。




