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二週目-1

ひょっとしたら追っ手が来るのではないか?という疑問を持つのは当たり前のことだったが、不思議と追っ手は現れなかった。

といっても考えてみれば当たり前だった。

このあいつの言うゲームはきっとあいつの手中なのだろう。

わざわざ出向かなくても様子は見られている。

どこで何をしているかをすべて見られている。

まるで蟻の巣を観察するように、面白がってそしておそらく何かを俺達によって手に入れさせようとしている。

この幸運しか続かなくなった世界での俺の勘だ。

十中八九当たっているだろう。

根拠など無い。

あくまでも仮定の話だ。

でも今の状況を打破するためには蜘蛛の糸にだってすがりついていくぐらいやらないとダメだ。


「ねぇ、ところで虚さん達ってどこ出身の方?」


この場合自分たちの生まれを正直に言ってしまっても良いのか分からなかった。

どうすれば良いと思う?頭の中の声の人?


-しらねーよ。好きにしなどうもまずそうだったら何とかするからよ。


なるほど、何とかしてくれるつもりではあるらしい。

では、お言葉に甘えて


「自分たちは、にh」


「見たところ人類だから魔王国家のはずよね・・・でもここを知らなかったから・・・もしかして地球・・・?」


えっ・・・?

-えっ・・・?


何で分かったのかが分からない。

まだ、その疑問に対して答えてないが、自分たちの驚きを隠せないといった表情は、YESと言っているようなモノだろう。


「だとしたらそうね・・・、今の考えが正しいとして・・・何年から来たの?」


彼女の頭の中で何を考えているか分からないけれど、素直に答えることにした。


「西暦2025年・・・です。」


すると腕を組み考え込むような姿勢でひたすらぶつぶつと話し続けた。


「2025年・・・時間の加速度を考えるならば・・・記録によれば3526年・・・でもいまは・・・、・・・。」


そして彼女は、ふと顔を上げ自分たちを見つめながら


「なんでこの時間にいるの・・・?」


と、言った。

そして彼女はまた一人ぶつぶつと考え始めた。


「時間の流れがおかしい・・・?いや、違うそんな傾向はない・・・とすると、時間の・・・?いや彼は動けないはず・・ドゥニアの差し金・・・?でも彼らは無駄なことはしないはず・・・。違う、ひょっとすると・・・。ルメス・・・?でも彼女は今力が・・・」


ルメス?彼女?

いや違う、ルメスは女じゃない。

自分たちの記憶が正しければ、性別を偽っていなければ。


「違います!ルメスは男でした!」


「男・・・?いや今のルメスは女よ。跡継ぎの子なら男だ・・けど・・・。あっ・・・。そういうことね。」


なにやら納得した様子で、うんうんとうなずいていた。


「何が分かったんですか、教えてください!えっと、メイリーンさん。」

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