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二巡目→二周目

ずっとサボってまし・・・いや、サボったんじゃないんです忙しかったんです!

なんで・・・?俺がもう一人・・・


「おや、お二人そろいましたか。さぞ困惑していることでしょう。なにせ貴方達の目には自分自身が映っているのだから。」


「おい!つまりどういうことだ!?俺と虚が入れ替わっているということか!?」


「その通り、あなたたちは入れ替わっています。ゲームの中でそうなったのです!」


-ははーん、そういうことか。


ふと頭に中で声が聞こえた。

ただでさえ混乱をしているのにその上こんなことが起きてさらに混乱する。


-おい賭俺の体にいるなら声が聞こえてんだろ?


「えっ、きっきこえ」


-口に出すなよ、あいにくルメスとやらにはバレてない。

-とりあえず何も考えずにここから逃げろ。

-町の中へ逃げ込むぞ。


何がどうなっているのか分からないが頭の中の声に従って俺の体に入っている虚の手を強引に引っ張って逃げた。


カジノからとにかく離れようと何一つ分からない町の中をただただ一心不乱に走り回った。

裏路地に逃げ込み辺りを見渡すと、いつの間にか日は落ち、暗くなっていた。


「はぁ、はぁ・・・。」


いつもよりも体力が続かなかった。

虚の体だからだろうか。

対して虚は、あまり疲れてないようだった。


-オメェが疲れると俺も疲れるからよ、マスクぐらい外せよ。


声に従い、マスクを外す。

やっぱりマスクを付けながら走るのはなかなかにキツいものがあった。

こっちの方が息もしやすく、体力は直ぐに回復していった。


「ところで、この声は何なんだ・・・?」


-あ?何ってお前の目の前に居るそいつだよ。

-弐口 虚っていった方が良いか?


この声が、この虚?

あのよそよそしい態度も、弱々しいしゃべり方も何一つ一致しない。

本当に虚だとは思えない。


-まぁ、詳しいことは後で話してやるから

-あの明るいところにひとまず行こうぜ


自称虚がいうとおり、少し離れたところに明るく賑やかそうなところがあった。

その明るいとこへ向かって行くにつれて段々と賑やかになってきた。


「あ、あの。賭さん・・・。あの建物・・・お城見たいじゃないです・・・か?」


自分たちが目指していた明かりは目の前に建っている大きな城だったようだ。

ここは町の中心だったりするのか?と思い辺りをうろうろしていると長い行列を見つけた。

たたでさえ広い道を断絶するようにその行列は延々と続いていた。

そんな行列に並ぶ何故だか耳の異様に長い若そうな女性に尋ねた。


「すいません。お姉さんこの行列って何を待っているんですか?」


「あれ?貴方この国の人っぽいのに知らないの?ここはね、図書館よ。魔王城跡国立図書館。」


-ははは、こりゃいいじゃねぇか。

-魔王城だってよ。


魔王と言うからにはさぞかし圧倒的な存在なのだろう。

だが、これだけの行列があるなら魔王というのはいわゆる、魔物の王じゃないのかもしれない。

それはあくまで、自分たちの知っている世界での話だ。

でもその魔王とやらに頼るのもある意味良いのかもしれない。


「そうね、じゃあ内緒でお姉さんの前に入れてあげるから。」


「あ、ありがとうございま・・・す。」


こうして、最後尾に並ぶことはなくこの城に入れそうだ。

それはこのお姉さんが期のいい人だったからだ。


「ところでお姉さんお名前は?」


「あら、それも知らないの?私は、“メイリーン・ザラグ”です。それで君達は?」


今この状況での自己紹介は少し難しいとは思ったが、この体の方の名前で教えようとおもう。


「俺は、弐口 虚。こっちが、漆原 賭。」


「あら、珍しい名前ね。覚えておくわ。ずっとね。」


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