一方的な模擬戦闘。
時間が取れなかったからだいぶ短いです。
「戦うって、文字通り戦闘って事でいいのか?ゲームとかそういうのじゃなくて」
「そうだ、戦闘だ。魔法の使用は許可する…って言っても魔法なんて使えないか?」
「魔法云々と言うよりか、まず戦闘の経験が無い。人に刃物を向けた時だって脅し目的だったから。」
そうだ、鳴実に刃物を突きつけたときだけだ。
結局、俺が死ぬことになったんだけど。
「なにも、アタイと戦って勝てって訳じゃないからな。十分能力を使えると確信できたら帰っていい。これならまだ気は楽だろ?」
まあ、そういうことならまだ楽だ。
コイツに勝てって言われても無理な気がする。
というか、無理だ。
「じゃあ、始めよう。アタイは素手で戦う。これぐらいのハンデが無けりゃ平等じゃない。能力は時々使う。刀と銃だけだときついからな?」
それでもキツイのか…
本格的に勝てそうにない。
なんて考えてたらいきなり吹っ飛ばされた。
脚を踏ん張ってみたらやっと止まることが出来た。
この空間に壁なんて概念は無いらしく止まろうとしなければ何処までも進んで行ってしまう。
痛くはなかった。体に傷も一切無い。
「これならまだやれるだろ?」
衝撃は来るが、傷も痛みもない。
次の第2撃に備えて足を踏ん張る。
「なんでプロテクターとかそういう類をイメージしない?それじゃいつまで経っても一方的だぞ?」
完全に正面に対してしか気を張ってなかったため、背後から声が聞こえたかも思うと今度は前方にぶっ飛ばされた。
前転するように止まることなく何処までも飛んでいく。
だが、この転がり方だと足で止まるなんて到底出来ない。
とりあえず、止まらないと!
どうすればいい…
あ、そうかイメージ。
それだ。
自分の前方に壁をイメージする。
ドーン!!
壁に俺が衝突した音。
痛みはないが衝撃が凄かった。
「やっとか、そうだ。そういう風に戦え。」
イメージしながら戦うとかほぼ無理なんじゃないかと不安になってしまう。




