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流れるようなイメージを

「実際に見せた方がやっぱり良いだろ?」


そう言って、刀を作り出しその刀を適当に振る。

ザシュッ!

模造人間の腹部辺りに深めの切り傷。


「まぁ、これをわざとやるためにちょっと深めに切ったんだ。」


そう言われて、刀を見てみる。

が、よく分からない。

刀を血がしたたり落ちているだけだ。

表面を流れ落ちているだけ。

まさか、これのことか?

表面を流れていくようなイメージ・・・でいいのか?


「わかった、ちょっとやってみる。」


流石に血が表面を伝っているイメージは過激すぎる気が否めないので、水が流れる・・・?

いや、いくら何でもさっと流れすぎるな。

ならもっと粘性の高い液体・・・蜂蜜?

いやいやファンシーすぎる。


「やっぱり、イメージしにくいよ。また自分で考えてみる。」


「しょうが無いな。早くしろよ。」


流れ落ちるイメージだとどうしてだかやりづらい。

だが、ある意味ち、血というイメージは良いかもしれない。

なにせ血液は、体を流れている。

あるいみでは、一番身近な物だとも言え・・・


「あ、これだ。」


「ん?もう思いついたのか?」


「あぁ、ちょっとやってみるよ。」


そうだよ!血液という考えは良かったんだ。

そこからの発想だ。血液は常に自分の体を循環している。

それをイメージしてやれば行けるのでは?と思いついた。

血液というよりは、自分の中どこかにある能力を液体だとたとえて、それを内部から流してやるイメージだ。

ドクッドクッ

心臓が脈打つ音、そっと目を閉じそれに意識を集中させる。

このイメージ、このリズムで押し流されるんだ。

自分の手のひらから管がつながって刀の刃先まですぅっと流れていく。

循環というイメージうまく使えればもっといろいろできるかもしれない。

だんだん刀が熱を帯びている気がする。

自分の体のように流れるのが分かった。

そっと目を開ける。

黒い刀身に血管のようにいくつもの線が延びていた。

その出所はどれも自分の手のひら。

赤い物が流れているように見えるが、それは厳密に言えば血液ではない。

イメージの元が血管だからだろう。


「その発想はなかったな。面白いそれでもう一回切ってみろ。」


体中を流れる血管は常に意識している物ではない。

それと同じで、自然体で刀を扱う。

両手でしっかりと握り、正面に構える。

それを振り上げ、頭の右隣で一度止める。

そこから、フッッと振り下ろす。

剣道のような、当てる振り方ではなく、切断するイメージで。

フッ

血は出ない。

一切、一滴たりとも出ない。

俺の能力のおかげでその断面が消えたと考える。

切断面に見える血液は、刀を流れる力のおかげで出血するたびに消滅しているのが分かる。


「綺麗な断面だ。扱い方はもう分かったな?普通に暮らす時には血液と一緒に体を力が流れるイメージしてりゃもう大丈夫だ。そんじゃ、最終テスト。アタイと戦おうぜ?合格したら戻って良いぞ。」


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