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想像と創造


「いきなり模擬戦闘とかじゃないからひとまずは安心してくれ。」


ってことは、この後いつか戦闘をしないといけないのか・・・

いくら別人とは言え、ブラフと同じ姿をしているモノと戦うのは心苦しい。


「さて、第一に君にはイメージの力を強めてもらう。たとえば、今君の手には太刀が握られている、そうイメージをしろ。その虚偽を信じ込め。」


「太刀っ要は、刀か・・・」


刀・・・刀・・・刀・・・

そう思っている内に手の中に堅いモノのような感触が感じられる。


「これか!ってあれ?」


今感じた感触がなくなった。


「馬鹿野郎、集中しやがれ。早くしろ、そして今のスピードじゃ遅い。見せてやるからちゃんと見てろ。」


そして、“力”は軽く握りしめた手を前に出した。

何も見ず一度瞬きをした。

すると手の位置は動いていない、それなのに軽く握られた手の中にちょうど終時さんの持っていたような刀があった。


「今は精神世界だから見えるけど、現実じゃお前以外見えないからな。さぁ、やってみろ。」


そんな直ぐできるとは思えないけど、本物(?)を見てやりやすくなった。

これなら行けそうだ。

再び軽く拳を握る。

手の中に刀があるイメージ。

ついでだ、オリジナリティを求めよう。

かっこいい黒い刀身、手の形になじむような柄・・・

これ、これがいい!

これで!!


「ちょっと時間かかったが、よくできた。」


イメージ通りの刀。

すごくかっこいい。

だが、これが他人の目には見えないと思うと少々悲しい。


「刀のイメージはできたな。じゃあ次だ。次は飛び道具。銃でも弓でも何でも良い」


そうか、何でも良いのか。

だが、この刀には確かに重量がある。

つまり、あまり思い物は負担になる。

なら、ハンドガンか?

いや、マグナム。

でかくてごつい、重心は黒に赤。

やばい、かっこいい。


「おい、今度はクソ早いな。案外向いてるかもしれんな。」


今度も確かに手の内にマグナムを握っている。


「お前が想像した物はな、魔力製だ。だから、魔法に長けた者には形だけ見える。お前の周りで言うなら、知識と狼、法術士それに魔王だ。アタイが治せば、元主も見えるぞ。つまりお前の周りの奴らは見える。」


まぁ、正直それだけの奴らが見えてるなら文句は一切無い。


「お前のイメージがもっと広がれば何だって作れる。さぁ、次は、試し切り、試し撃ちと言ったところか。」


パチンッ

指をはじくと、たくさんの人が現れた。

しかし、どれも目は虚ろで生気が無い。


「アレを切ったり撃ったりして慣れろ。今後生き物を切ることもあるだろ?それにも慣れろ。そのためのアレだ。」


確かに想像物なのだろう。

しかし人の形をしていて、攻撃をためらってしまう。


「まさかだけど、血が出たりとかしないよな?」


「出るぞ。現実より大分過激目に。つべこべ言わずさっさとやれよ。」


はぁ・・・

やらないと行けないか・・・

まずは、ちょうど手に持っているマグナムからだ。

どの程度の威力か分からないので、まずは、人を狙わずに空を撃つ。

バァンッ!!

すごい反動。

肩が外れるかと思った。


「お前、体作りからやらないと行けないな・・・。慣れるよりも先はそっちだったか・・・。取りあえず腕立て腹筋スクワット各30回を10セットな。2セットごとに休憩は許可する。」


まじか、社会人になってから筋トレなんて全くしたことがない。


「ガンバリマス・・・」


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