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異世界創造神:ブラフマー(1)

「おーい、おーい」


 声が聞こえる。またあの金髪だろうか?俺はきっとそうだと信じてまだ目を開けずに最初と同じように胸をつかみにかかった。


 スカッ



 ・・・おかしい、胸がそこにない。確かに誰かに膝枕をされているのはわかるが、あの時にはあの金髪以外いなかった。


「おかしい、そこにあったものがない。」


 そう口にしながら恐る恐る目を開く。


「あんたいつまで寝呆けてるつもりなの?」


 そこにいたのは金髪・・・ではなく銀髪に紫の目をした少女。それも着物を着ていてよく似合う。


「お、オハヨウゴザイマス。・・・」


 なるべく相手を刺激しないように今度はゆっくりと起き上がり対面に正座した。


「えぇと、さっきまでいた金髪の方は?あと、えっと・・・お名前をお聞きしてもいいでしょうか?」


 相手は初対面、その上膝枕までしてもらっていたのだ。かしこまってしまうのは当然であろうと思う。すると彼女は、その小さい唇を開き


「あの金髪ならほら、向こう側にいるでしょ?」


 と、よくよく周りを見渡してみるとさっき間あまり気が付かなかったが、ここは森・・・?のようだ。

 5メートルくらい離れた切り株には、この銀髪娘の言うようにやけにニヤニヤしながらこっちを見ている金髪がいる。

 こちらが彼女に気づくと同時に彼女は手を振り返してきた。


「あの金髪に気を取られているようだが、質問に答えよう。私の名前は、ブラフマー。この世界の創造神だ。」


 ブラフマー・・・聞いたことがあるようなないような・・・。

 うーん、おもいだせない


「ところでおまえは質問ばかりだが、私も質問をしようか、お前、名前は?」


 目の前の少女はえらく上から目線な言葉づかいで訪ねてきた。


「俺の名前は、みせ とおるだ。」


「肆 透・・・ふむ、まぁまぁな名前だな。」


 また、上からの態度。

 あ・・・れ?ちょっと待って、こいつなんていった?


「ちょ、ちょっとすいません、あの、神様ってさっき言ってた?」


「あぁ、確かに言ったぞ。おまえ・・・いや、透、貴様は人の話を聞いていなかったのか?」


「いやいやいや、そういうわけじゃなくて!頭の整理が追い付かなかったって言うか・・・」


「そうか、なら今一度言おう。わたしは神だ。何を隠そうこの世界の創造神である。」


 目の前の少女はその平らな胸を大きくのけぞらせてたいそう自慢げに言った。背後に“えっへん!”という文字が見えそうな勢いで


「・・・?」


「どうした?神だよ!神!もっと敬いなさいよ!?」


 おっと、さっきまでのしゃべり方はキャラ付けだったのか?ちょっと反応をしなかっただけでこの反応。かなりかまってちゃんな少女と見受ける。パット見た感じ、中学生くらいに見える。さっきの金髪のチャンネーが25とかそこらへんに見えたからおそらく娘だろう。

 にしても、


「胸ないなぁ・・・」


 ふとつぶやいた。この少女はさっきのチャンネーとは大違い。

 全然股間が熱くならない。

 むしろ憐れみを感じるくらいに板だ。


「あ!あんた今胸がないなっていったでしょ!?憐れみを感じるって思ったでしょ!あたしはね!だてに神様じゃないからあんたの心ぐらい読めるのよ!いい加減にしないとブッコろよ!ブッコろ!あたし神なんだからね!?神なんだからね!?!!」


 えらく必死にこの目の前の銀髪紫目の美少女は語っている。


「あぁ、お前の胸は小さい。小さいというかない。」


 はっきりと言ってやった。


「べ、別にあんたが望むなら胸ぐらい好きなサイズに変えてあげるわよ!ほらいってみなさい!?」


 おやぁ?これがツンデレというやつなのか。自分で言ったセリフが自分で恥ずかしくなっているのかは知らないが目の前の美少女は赤面しながらもそういった。

 なのでその言葉に甘えて言ってやった。


「あぁ、そうかよ。じゃあ、Dカップだ、Dカップ!俺の頭を割りかけた神様みたいな巨乳になってみろよ!どうせ無理だろうけどなあ!」


 おっといけない、おっぱいのことになるとつい熱くなってしまう


「なんでそんなに熱くなってるかは知らないけどいいでしょう!やってあげましょう!あなたの望むとおりになってあげましょう!ほら、あたし神だから!全知全能で心優しい神様だから?」


 なんだかこの少女、態度むかつくなぁ・・・そう思っていると目の前の少女はおもむろに着ていた着物の上部分だけをはだけ始めた。

 胸はばっちり隠されていた。

 そして彼女が空を手で仰ぐと歯車がかみ合うような音と同時に魔法陣が輝きながら姿を現した。


「フェアエンデルング・ユーブング」


 聞いたことがなかった。

 この初めて聞く横文字もそうだが何よりその少女から発せられた声には、何か知ってはならないことを知ってしまったような心臓を手で握られたかのような圧迫感、恐怖感があった。

 冷や汗が出る。

 体が震える。

 この世界に来る前に聞いたことがある正気度。

 というやつがみるみる下がっているような気がした。

 そして、俺はやっと、この少女が、目の前の圧倒的な存在が本人の言う通り神なのだと悟った。

 すると

 一気に恐怖感が吹き飛んだ。


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