1話
見渡す限りほぼ何もない森の中、私は眼を覚ました。確か最後の記憶では部屋の電気を消して自宅のベッドに入り明日の仕事に向けて仮眠をとっていた筈なのだが現在地は自宅どころか家から出て数キロ先にもこんな場所は無かった筈だ、もっとも私の記憶に誤りがあるのであればこんな思考も無駄になるのだが。
そんな思考に頭を使っていると背中に妙な感覚がある事に気づく、その感覚を頼りに視界の中に持ってくるとそれは翼だった。何故翼が自分の背中に生えているのかは少し考えたのち"考えてもしょうがない"という結論に辿り着きその思考を放棄した。
とりあえず何もしない事には始まらないので暫く歩くと最初にいた場所からそう遠くない場所に透き通った湖を見つけた。湖を覗き込むと鏡の様に自分の顔が……映らなかった。代わりに自分とは違う顔がキョトンとした表情で自分の顔の代わりに映っていた。とりあえず喉が渇き、見た感じ飲めそうな水だったので飲んでみる事にする。味はミネラルウォーターに少し劣るくらいだった。
しかしこの顔は何処か見たことがある確か私が正式サービス開始時からプレイして15年続いたのち昨年正式サービスが終了した自分のメインキャラとしてプレイしたキャラだった気がする。私は一つの可能性に気がつき声を出そうとする、しかし自分の口は動かない。ある程度は予測していた恐らくプレイしていた時に自動修得したスキルの一つ〈無口無感情〉が関係しているのだろう、さっきから感情の変化が殆ど無いのもそのせいだろうゲームの時は交渉スキルの低下や多少のコミュニケーション能力の低下の代わりに自分の能力を2割増加というスキルだったのだが現実になると本当にその名の通りになるとは少し不便になるな。
しかしゲームのキャラになるとやはり魔法とかが使いたくなってくる試しに一発だけランク1の魔法を撃ってみるか……
私はてを前に向けて手のひらを開き魔法を無詠唱で放った。
【ファイア】
眼の前3メートルから50メートル程のクレーターができた。ヤバいと思ったが後の祭り私は速攻で撤退しようとやった事もないのに背中の真っ白な翼を使って飛び去っていった。
◇◆◇◆◇
森の中に近くの村に住む住人が集まっていた。彼らの見つめる先には何者かが作ったであろう50メートルにも及ぶクレーターが存在した。誰が何の目的でこんなものを作ったのが誰もわからなかったがとりあえず何人かが王都にあるギルドと警備軍にこの事伝える為に走るのだった。
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とりあえず1時間少しで書いてみたちなみにいまのとこ続きは一切書く予定は無いが書く気になれば書く、尚その為のプロットや設定も一切無い模様。