第4話 真実の庭
クソ短い
第4話 真実の庭I
これは追憶の夢。流離の旅人となり果てる過程の夢。
私は仕事を終えていつもの道を歩き行く。商店街を超えた細々とした住宅街の一角。自宅の前の歪んだ道を少し早く曲がってしまい、私は迷っていたのだ。
「なんで、こんなに入り組んでいるんだよ。はぁ......」
疲れからか独り言を喋り、滅多につかない溜息を吐いた。私は疲弊しきった足を動かして元来た道を戻ろうとしたその時。黒のフード深くを被った人物とぶつかってしまった。心の内では溜息をさらに吐きながら取り敢えず謝罪をする。
「私の不注意でした。すいません」
そう言って横を通ろうとしたら150cmぐらいのフードの人物は私の右手を掴み上げていた。
私はそれを払おうとしたが振りほどけない。その人物の腕は細々としているのに一体どこからこんな力が出てるのか理解できない。
「やっと、見つけた」
それは無機質な少女の声だった。抑揚がなく、どこか感情を抑えているようにも聞こえる。
私はこの状況に頭が追いつかず、しばらく固まっていた。そして思考をまとめた結果、話し合いで解決しようと試みる事にした。
「取り敢えず、離してもらえませんか?」
「嫌だ、逃げるでしょ」
さっそく話し合いが通用しない。私は笑顔を貼り付けて頼んで見たが結果は同じだ。そんなやりとりを繰り返しているとフードの彼女は片手をフードの内側に入れて何かを探し始めた。そして彼女はこちらを見た。フードの下からでもわかる赤い瞳が私を捉えて動けなくなる。
「これを、渡しに来た」
そう言って彼女が差し出したのは一冊の本だった。それも、丁寧に飾り付けられた緑色の本で、葉を模ったレリーフが彫ってあり、その壮麗さは見ているものを惑わす魅力があって手に取るのが憚られた。
「ん」と言いながら押し付けてくるため、意を決してそれを受け取った。
題名には『オルモンドの森』と書かれている。中々分厚くて片手でギリギリ持てるぐらいだった。
私か本を受け取るとフードの少女は手を離してくれた。
「あなたは、それを読む。そして、私に会いにくる」
「どういう意味だ?おい、待ってくれ!」
私に言葉を告げるとフードの少女はかすれて消えて行った。まるで泡沫の夢である。だが、手元には美しほどの緑で整えられた本が残っていた。
私は好奇心を抑えられずに本を開いた。
『昔、むかし。ある所にオルモンドの森と言われる森がありました。オルモンドの森には魑魅魍魎が跋扈していると伝えられていましたが、それは嘘でした。いるのは音楽が大好きで少し抜けた妖精達だったのです。◽︎◽︎に迷い込んでしまったのは◽︎◽︎◽︎です。無理もない。黒の国と帝国の間に広がる◽︎◽︎◽︎◽︎◽︎の森は◽︎◽︎◽︎◽︎な◽︎◽︎。
◽︎◽︎は◽︎◽︎と◽︎り◽︎◽︎語◽︎で◽︎◽︎◽︎妖◽︎−−−−。』
そして私は目を覚ましたら森に倒れていた......。